私は熊本に住んでいる。あの震災で住んでたアパートは、もう瓦礫撤去され、新しいビルが建っているとか。

あの時は、見るも無残に崩れて、日増しに壁がボロボロ落ち、危険極まりない。小さい子のいる家族連れは最初の地震があってすぐに遠くに旅立った。

格安の物件だったから、エレベータないし夜中だろうと大声で喧嘩するC国人カップルが住んでいるわ、長居は無理だなと思っていたけど、あまりに急な自然災害には本当に呆気にとられた。二日目の揺れのあとに住民数人が部屋にきて、

「これは危ないから皆、隣の公園に集まっている。一緒に行きましょう。ここは危ない」。

既にドアの鍵は閉まらない。でもこの際仕方ないからあけたまま避難した。

 

規模は小さいが一応住宅街なので、男手が多いのがありがたかった。てきぱきと芝生の上にブルーシートを敷き、柱にブルーシートの屋根を固定させた仮住まいを4つくらいこしらえてくれた。とりあえず屋外の吹きさらしの風から逃れることができたのに安心した。4月とはいえ夜中は寒い。地面からしんしんと冷えが伝わる。もともといくつかの持病があることもあり、それでも優先されるのは年配の障害者の方たち。これに反旗を~という訳ではない、決して。でも彼らからみて若手(四十路なのに)なのならば、緊急時は身を粉にして動け、余力があるのならちまちま貯蔵してきた食品や飲料を提供しろという人々はどこにもいる。

 

よく海外の人々の声を羅列したブログなどには「日本人のモラルは世界一」と書いてある。そんなことはないよ。311の時に詐欺したNPO団体が熊本の時にも募金を募っていたという。名前は失念したけれど、ググればすぐに誰でも調べはつくはず。

 

朝はおにぎり一個。ばあちゃん達足りるのかなと思っていたら、私たちには内緒で味噌汁を配っていた。飲み物すら回してくれない。県内の実家に助けを求めた。3日ぶりに熟睡できた。