Yさん(88歳男性)が認知症と診断されたのは9月中旬でした。
要介護1という結果が出たのも、ちょうど同じ頃。
「これでよく一人暮らしが出来ていますね」とお医者さんも驚かれたそうです。
親戚の方から「ケアマネの手配などを進めて欲しい」と依頼があり、私が介護保険サービスに繋げるための手配を進めることになりました。
手続きなどの流れは、叔母の介護でひととおり経験済みです。
まずはケアマネ探し。
お世話になった看護師さんにおススメの方を紹介してもらって連絡したところ、既に手一杯の人数を担当していて、新規で受けるのは難しいとのことでした。
なんと、ケアマネさんが手一杯とは。介護業界の人手不足はやはり深刻なようです。
ケアマネ探しはなんとか2件目で手配することができたのですが、予想以上に難航したのはYさんへの説明でした。
介護サービスを受けること、知らない人の世話になることに、かなりの抵抗があるようです。しかし、Yさんと同居してくれる親戚はいないのです。最低限の介護サービスを受けなければ、一人暮らしを続けることができません。
①新しい手押し車をレンタル
今使っているのは古くてサイズも小さいから、新しいのをレンタルしましょう ⇒ いいけど、お金かかるの? ⇒ 介護保険だから月500円くらいで借りられるよ ⇒ それなら、いいね。
②玄関などに手すり棒を設置
転ばないように手すりを付けましょう ⇒ いいけど、お金かかるの? ⇒ これも介護保険だから月1000円くらいかな ⇒ それなら、いいね。
ここまでは順調だったのですが・・・
③デイサービスに通う
週に2-3回デイサービスに通いましょう ⇒ どんなところなの? ⇒ 朝行って、みんなで体操したり、お風呂入ってお昼食べて、夕方に帰ってくる、車で送迎してくれるよ ⇒ いやぁまだいいよ ⇒ 家のお風呂は危なくて入れてないでしょ、お風呂に入りに行くと思えばいいんじゃない ⇒ まぁそうだけど、丸1日潰れちゃうのは困るなぁ、私も忙しいんですよ ⇒ (忙しくないでしょ!という言葉は飲み込んで)毎日じゃなくて週に2-3回だから大丈夫だと思うよ ⇒ いやぁいいよ ⇒ 行ってみて嫌だなと思えばいつでも止められるよ、良いかどうか行ってみないとわからないじゃない ⇒ じゃあそうしようか
④ヘルパーさんを頼む
ヘルパーさんに来てもらって食事の準備などをしてもらいましょうよ ⇒ やだよ ⇒ 無理するとまた転んじゃうよ、少しずつ手伝ってもらいませんか ⇒ まだいいよ、自分でやるよ ⇒ でもIさん(お隣の奥さん)には毎日のようにお世話になってるでしょ(この時点でもう自分で出来なくなっていることが多くて、Iさんと私でかなりの部分を支えています。。) ⇒ Iさんは古い付き合いだから、いいんだよ ⇒ (ずいぶんと勝手な理論だなぁ)私もIさんもお手伝いするのはやぶさかではないけれど、毎日続けるのは難しいんだよ、他にも手伝ってくれる人を頼みましょうよ ⇒ 知らない人が家に来るのはちょっとなぁ ⇒ ずっといるわけじゃなくて1時間くらいだよ ⇒ でもなぁ・・・
⑤1Fで寝られるベッドをレンタルする
(2Fで寝ていましたが階段が危ないので最近は暫時1Fのソファで寝ています)
このソファだと危ないから、ベッドをレンタルしてここに置きましょう ⇒ いいけど、このソファはどうするの? ⇒ 向かい側に置こうか ⇒ じゃぁこの机は? ⇒ ベッドとソファを置くとさすがに机は置けないから移動させないとね ⇒ それは困っちゃうなぁ ⇒ でもソファだと足も出ちゃうし、机はなくても生活できるけど、ちゃんと寝られないほうが困るでしょ。ベッドを優先させましょう ⇒ いいや机がないと困るよ・・・・
③④⑤については、一緒に散歩をしながら同じ会話を何度したことか。それでもあまり進展はありませんでした。何か新しいことを始めようと人に勧めることって、難しいですね。。まぁYさんは特別難しい部類に入るのではないかと思いますが。。
後日親戚の人から聞いたところ、Yさんは若い頃から扱いにくい人だったそうです。
要介護になっても世話をしてくれる親戚がいないのは、そのせいもあるんだろうなぁ。
説明に1週間以上かかってしまいましたが、なんとかケアマネさんとの初回打合せに漕ぎ着けました。
私とIさんと親戚の人も同席して、ケアマネさんにひととおりの説明をしてもらったところまでは良かったのですが、では契約書にサインをというところで、「今日はやめておきます」とYさんからまさかの拒否が。。
介護サービスを受けるためには、まずはケアマネさんとの契約が必要なこと、この契約でお金の支払いも生じないこと、などなど、みんなで説明しましたが、ダメでした。
ここまでお膳立てして、やっとスタートを切れると思っていたのに、まさかのドタキャンですかぁ。。
後日、知り合いの看護師さんにこの話をしたところ、あっさり「まぁ、あるある、ですよ」と。
介護の仕事ではよくあること、まぁそうなんだろうなぁ。
たいへんな仕事なのに低賃金という介護業界。人手不足になるもの当然のような気がします。
さて、Yさんが介護サービスを受けられるように、もう一度仕切り直しをしなければ!