梅雨の中休みとはいえ、
どんより曇った昼下がり。
ようやく書き上げた原稿を投函しに、
職場を抜け出して郵便局へ行きました。
ちょうど幼稚園児や小学生の下校時間で、
緑のジャンパーを着た補導員の方々が、
路地のあちらこちらに立っておられました。
近頃は痛ましい事件が多発しているので、
防犯のために、近隣の住民らが申し出て、
子どもを見守ってくださっているわけです。
「こんにちは」
通りすがりの私にも声をかけてくださいます。
「こんにちは。毎日暑いですね」
「こうも蒸し暑いと堪りませんわ」
「梅雨明けはいつになりますかね」
彼らは、同時に、コミュニケーションを促進し、
コミュニティの形成に一役かっておられます。
「おかえり」
「ただいま」
「ほら、うしろから車がきたよ」
「きゃあ、ひかれる」
何気なく交わされるやりとりに、
梅雨空を忘れさせるような、
清々しい爽やかな笑顔が溢れます。
幼稚園までお迎えにきた母親が、
子どもの手を引いて歩いてきました。
「おかえり」
補導員の方が挨拶なさいましたが、
その母親は、会釈をすることもなく、
ただ黙って通り過ぎてしまいました。
晴れ晴れしい気分で歩いていたのに、
にわか雨にあったような気になりました。
いったい、その姿勢をもってして、
子どもに何を伝えられるのでしょうか。
近年の少子化社会においては、
子どもひとりにかける教育費が、
次第に増加しているといいます。
しかし、その根幹にあるべき愛情は、
急速に減少しているように思われます。
よい子に育てたいと望むのであれば、
お金よりも、声をかけてあげてください。
by スグル