今よりももう少し若かったころは、
プレッシャーを楽しむことができました。
張りつめた空気。
刻一刻と迫りくる瞬間。
鼓動の高鳴り。
すべてを心地よく感じたものです。
あのころは、単に向こう見ずだったのでしょうか。
不安や恐怖を負の概念として排除していただけでしょうか。
年齢を重ねるごとに、
自信や自負心を失いつつあるようにも思います。
私は、何もかも知らなすぎたのです。
決して悲観しているわけではありません。
月並みですが、知らなかったことに出くわすたびに、
知っていることの少なさを気づかされ、
知らないことの多さを嘆きながらも、
これから訪れるであろう幾多の未知との出会いを、
ひたすら心待ちにしているのです。
もしかすると、それをよしとしてしまうことが、
すなわち老いなのかもしれません。
あるいは、無知であることを正当化するための、
卑劣な弁解なのかもしれません。
しかし、価値観とは、普遍的であるようで、
実際はそうではありません。
私は、「新しい」ということに慌てふためき、
イライラし、弱音を吐いてしまう私自身を、
頼りなく思う反面、案外かわいいとさえ感じるのです。
by スグル