去る9月14日、山吉康夫氏がお亡くなりになったそうです。
私と同年代で、アニメが好きだという方なら、
おそらく、この名前をご存知なのではないでしょうか。
私たち、ザ・マシンガンズの「聖典」ともいうべき、
マンガ『キン肉マン』の劇場版作品を始めとして、
多くのアニメーション制作を手がけてこられた監督・演出家です。
子どものころ、「マンガ祭」と題したアニメ映画大会のために、
友人といっしょに遠方の公民館まで行ったことを思い出します。
友人も私も、『キン肉マン』がお目当てでした。
ついでに、覚えておられる方はいらっしゃるでしょうか。
某ガソリンスタンドでは、この宣伝用ポスターを配っていて、
それがほしくて仕方がなかった私は、車で外出するたび、
必ずそこで給油するようにと、母親に頼み込んだものでした。
さて、アニメーションのよし悪しは、もちろん、原作に左右されます。
しかし、たとえ原作がすぐれたものであったとしても、
演出を誤ってしまえば、とたんに駄作になり下がってしまいます。
現代の市場が、金にとり憑かれた亡者たちで溢れかえり、
あらゆるものを食いものにする「便乗経済」でありながら、
ベスト・セラーになった人気マンガだからといって、
必ずしもヒット・アニメになっていないことからもそれは明らかです。
アニメーションが、当たり前のことではありますが、
マンガと決定的に異なる点は、絵が動くということです。
これによって、表現の可能性は無限に拡がります。
しかし一方で、マンガでは無視することの許される、
詳細な時間経過までもが表現の対象となってしまいます。
したがって、アニメーションの制作においては、
原作の縛りを受けながら、大幅に容量を増やし、
かつ自然にストーリーを展開させることが非常に重要となります。
つまり、原作のマンガをよく知り、また愛していなければ、
よいアニメーションを作ることなどできないはずなのです。
アニメーションの名演出家として、
そして、おそらく同じ『キン肉マン』愛好家として、
氏のご冥福を、心よりお祈りいたします。
by スグル