魔法使いもたいへんだ

先程の戦いからするに 相手より先手を取れば勝利

〝どういうこと〟 「あれを唱える」
〝やめてくれ〟 「素早くさせるから」
〝疲れるんじゃい〟 「勝つためだから」
〝二日酔いなの〟 「もう唱えてるから!」

こうして魔法使いは唱えた みんなが嫌がるあの呪文を
みるみる素早くなる仲間達 だけども冷たい視線の先で
魔法使いは相手を睨みつけている

酒場での宴はもう終わり 宿屋にて眠れずに独り

良かれと思って唱えてみてもどこか空回り
君の意見もワシの意見もすれ違いばかり

〝足にきてるわ〟 「黙って寝とけよ」
〝お前のせいだろ〟 「石にしちゃるからな」
〝やってみんさい〟 「もう我慢ならん」
「あれ効いてない」 〝アクセサリーのお陰じゃ ざまぁ!〟

こうして魔法使いはいつの日でも 力任せのパーティーの中での
居場所はもうどこにもありゃしない それでも勇者に仕えていくのさ
魔法使いもたいへんだ