タペット調整は、エンジンが冷えている時に行います。
ですから、朝一番に作業を始めます。
モンキーは、エンジンが下の方にあるので、写真を撮るだけでも疲れます。
写真を撮っている時に、自転車に乗ったミニスカートの別嬪さんが通りかかる、なんて事があれば、悪くすれば新聞に載ってしまいます。
充分に気をつけましょう。
タペット調整を、散々しくじったので、だんだん下準備が上手になって来ました。
モンキーのエンジンは、タペットが地面に近い場所にあるので、とてもやりにくいです。
その上、下側のタペットキャップを外すとオイルが漏れます。
意外に長い間、たらりたらりと漏れます。
どうしたもんか、と思っていたら、フロントタイヤを台に乗せて、スーパーカブのタペット調整をしているHPを見つけました。
気をつけないと、スーパーカブの下敷きになるんだそうです。
下敷きになるのはかなわないので、メンテナンススタンドをエンジンの下に入れて、車体全体を斜めにします。
オイルが漏れても大丈夫なように、念のためトレーをひいておきます。
このカバーのボルトは、右下のボルトだけ短いです。
右下に長いボルトを締め込むと、内側の壁を突き破り、エンジンを降ろさないといけない重整備になるそうですから、気をつけないといけません。
右下の短いボルトは、チェーンの油や泥で汚れていました。
周辺にもボルト穴にも、パーツクリーナーを吹きかけ、ゴミが噛み込まない様に掃除をします。
エンジンの近くなので、3本とも、ボルトはダイスでさらって、綺麗にしておきます。
そこにTという字の横のラインを合わせるのですが、どうしても少し右側に回ってしまいます。
ギアを入れてタイヤを回したりしたのですが、上手くいきません。
大丈夫なんでしょうか?
下準備が出来たところで、タペットクリアランスの調整をしますが、かなり面倒です。
知人に聞いたところ、しっかり準備体操をしてから始める様に、とアドバイスを受けました。
なるほど、腰に来ます。
結構、イライラするので、煙草や缶コーヒーを準備していた方が良さそうです。
僕のレベルで、非常に上手く、短時間で調整が出来たら、何かが間違っている証拠だそうです。
調整中は、写真は撮れませんでした。
長々と説明しますから、面倒な人は読み飛ばすか、写真を撮りながら記事をアップできるレベルの人の、他のHPを参考にして下さい。
まず、Tのマークに合わせると、ピストンは一番上の位置、いわゆる上死点に来ています。
ところが、4ストロークエンジンには、二種類の上死点があります。
タペットクリアランスを調整する時は、圧縮上死点で行う様に説明されています。
フライホイールを反時計回りに回すと、タペットキャップから見えるバルブが動くのが見えます。
何度かフライホイールを反時計回りに回して、観察した方が良さそうです。
バルブが上下するのが見えたら、Tマークに合わせます。
シーソーの様に動くロッカーアームがカムに片側を持ち上げられ、バルブをエンジン内部に押し込んで、混合気をエンジン内部に入れたり、排気をしたりしています。
タペットクリアランスを調整する時は、シーソーの様なロッカーアームが、バルブをエンジン内部に押し込んでいない時に、調整をします。
4ストロークエンジンは、Tマークに合わせると、バルブが押されている時と、押されていない時の二つのパターンを存在します。
調整は、バルブが押されていない時に行います。
バルブが押されていない時は、指でつまんで揺すってみると、少しだけ動きます。
押されている時は、微動だにしません。
フライホイールを反時計回りに回してみて、二種類の上死点を確認してみて下さい。
違いが分からなければ、タペットキャップを閉めて、何もせずにバイク屋さんに行きましょう。
さて、バルブが少し揺すれる側の圧縮上死点が見つかれば、調整開始です。
モンキーは、吸気側、排気側ともに0.05ミリです。
モンキーのバルブは、9ミリのナットで固定されています。
ナットを緩めて、バルブの上を回して隙間を調整します。
ラジオペンチで調整している達人もいますが、タペットアジャスターレンチを買って来た方が、断然有利です。
素人は、道具に助けてもらわなければ、なりません。
ピストン側に押し付けて、クリアランスを調整してはいけません。
気をつけないと、知らず知らずに体重がエンジン側にかかります。
すると、クリアランスはユルユルなのに、シックネスゲージが動かなくなって、更にクリアランスを広めて…、という悪循環に陥ります。
どうやら、昨日の僕は、体重をかけていた様です。
時々、バルブを指で引っ張ってみて、確認します。
0.05ミリのシックネスゲージを出し入れする時の感触が、ようかんを切る時の感触と同じになれば良いと聞きますが、こればっかりは、調整が上手くいった後から分かるもんじゃないかと思います。
0.04ミリのゲージがスムーズに入り、0.06ミリのゲージが入らない様になるまで、しつこく調整します。
時折、Tマークがずれていないか確認します。
0.05ミリに調整できれば、フライホイールを反時計回りに2回転させて、もう一度圧縮上死点を出します。
そこで、もう一度、シックネスゲージで隙間を計ります。
同じ様に0.06ミリが入らなくて、0.04ミリがスムーズに入れば調整は終了です。
タペットキャップを閉め、ボルトの長さに注意して横のカバーを取り付けます。
エンジンを始動する前に、キーをオフのまま、キックをします。
どこかにミスがあれば、キックをするだけで、エンジンからカチカチと音が聞こえます。
カチカチと音が聞こえたら、作業はやり直しです。
音がしなければ、キーをオンにしてエンジンをかけます。
アイドリング調整のネジですね。
僕のモンキー君には、タコメーターが無いので、適当に合わせます。
先ほどのエアスクリューを90度ずつ時計回り、反時計回りに回してみましたが、ほとんど変化が無かったので、このままにします。
CDIとイグニッションコイルの配線強化、タペット調整、アイドリング調整、バッテリー補充電の成果は、エンジンが掛けやすくなったこと、信号待ちでエンストしなくなったこと、強いて言うなら発進がしやすくなったことくらいでしょうか。
もらって来た当初、バッテリーを補充電した時の変化と同じくらいのわずかな変化でした。
素人が、いじくってもエンジンが掛かる、ホンダの技術力に感謝です。