ということで、「レッド・スパロー」批評、いってみよーーーーーー!!!!
[あらすじ]
・アカデミー賞女優のジェニファー・ローレンスが、「ハンガー・ゲーム」シリーズのフランシス・ローレンス監督と再タッグを組んだスパイサスペンス。・元CIA局員という経歴を持つジェイソン・マシューズによる同名小説が原作で、捜査対象を美貌で誘惑する「スパロー」と呼ばれる女スパイの活躍を描く。・事故でバレリーナになる道を絶たれたドミニカは、ロシア政府が極秘裏に組織した諜報機関の一員となり、自らの肉体を使った誘惑や心理操作などを駆使して情報を盗み出す女スパイ「スパロー」になるための訓練を受ける。やがて組織の中で頭角を現したドミニカは、ロシアの機密情報を探っていたCIA捜査官ナッシュに近づくというミッションを与えられる。_接近したドミニカとナッシュは互いに惹かれあいながらも、それぞれのキャリアや忠誠心、国家の安全をかけてだまし合いを繰り広げていく。
もう予告からしてエロいだろう、と。リアル峰不二子がここにいたのか。。
こんなにジェニファー・ローレンスがクールで引き締まったイメージってほとんどないんですよね。
監督はフランシス・ローレンス。主演のジェニファー・ローレンスと合わせてダブル・ローレンスの政策なんですよね。最初偶然すぎて結婚してるかと思ったくらいですよ笑
監督はハンガーゲームの時も監督で、彼女と長い付き合いです。
それにしても、、、予告動画といい、胸を強調しすぎる演出。これは少し浅はかなのでは? いや、赤いポスターで赤いドレスという色が統一してて面白いんですけど、少し派手やしませんか?
(C)2018 Twentieth Century Fox Film Corporation
女狼には赤いドレスという図式が、アトミック・ブロンドの時にもありましたけども、もう定着したってことなのかな?
女の武器を存分に使って悪を討つ!的な話なのかな?
面白いのはジェニファー・ローレンスがロシア政府が極秘裏に作った諜報員チームになってる設定。
監督はオーストリア出身ですから、他国から見た女ロシアスパイってこんなにクールでわざとらしくセクシーなイメージなんだなぁと思いましたw
にしてもやりすぎだと思うがなぁ、、、
それでは映画の感想でっす!!!
[映画の感想]
おそロシアの女狼スパイ劇を描くも、サスペンスとしてダメ、社会派作品としてもダメ、ぶっちゃけ退屈でございました、、、
[前戯だけされてもなぁ、、]
つまるところ、見せ場がなかったんですよ。そりゃあジェニファーローレンスのパイオツを堪能できたりね、おそロシアの冷徹すぎるスパイ社会が垣間見えたりして良いシーンはあるんですけども、
スパイ劇として見せ場がなさすぎる!!
国家にとって大事なミッションがあって、それがジェニファー・ローレンスに伝えられて、うっしゃ男を手玉に騙してやってやろうじゃねぇか!!!って話になってない。
この映画はジャンル化されたスパイ映画ではなく、女性が国家に束縛され続ける過酷さを一貫して撮っているんですね。
だから爽快感はないし、ただひたすらジェニファー・ローレンスが国にいじめられる。そうしないと生きていけない、そんな過酷な状況がずーと描かれる。
「ハンガーゲーム」を撮った監督とはとても思えない、冷たく乾いた作風だったと思います。
ただ、そんな冷た〜い映画を2時間20分も見せられても、僕にとってはキツかった。つまらなかった。。。
冷たく乾いた映画でも、マイナス温度的にカタルシスがある映画は好きなんです。ノワール好きだし、ほとんどBGMが流れない静かな映画も好きです。
でもこの映画の温度は、氷点下に行かないまでもずっと低音を保っているような地味な映画すぎて、ちょっと好みではなかったです。
ただしジェニファーローレンスのビーチクは1000億点!!!!!!
はい、ちょいちょいこのフレーズを挟んでいきますからね。
[オープニングは100点]
2時間20分全部ダメだったわけじゃなくて、オープニングは良かったんです。
ジェニファー・ローレンスがスパイになるまでの生い立ちを丁寧に描いてね。
優秀なバレリーナとして、国家に期待されて、人生を約束されててね。
しかし、そんな彼女も、男には度重なるセクハラを受けていて、社会主義の女性としての弱さを露呈させるシーンが重なって
しかし、バレエ中の事故で(というか事件で)片足がダメになっちゃってね。
目覚めたら既に足が手術されていて、バレリーナとしての人生が完全に打ち砕かれる。
ジェニファー・ローレンスの絶叫とともに「Red Sparrow」とタイトルクレジットがドーンと流れる。
片足を奪われたジェニファー・ローレンス。これが国家に自由を奪われたことのメタファーにもなっていて素晴らしかったんです。
その後、親戚の叔父さんに「スパイにならないか?」と誘われて、赤いドレスを着せられて、いわゆる「アカ」色に染まってしまったという服飾のカラーセンスも良かったんです。
ここまでは良かったんだけどなぁ、、、、、
[訓練シーンが本当にダメだ。。]
ロシアの情報局員となってエロを武器に戦うローレンスなんですけど、エロを見せるシーンが本当にダメで。。。
まず本番の前にスパイ養成学校で訓練があるんですけど、そこのシーンがとにかくダメで。。。
シャーロット・ランプリングが教官で、「まず脱いでみて」とジェニファー・ローレンスと男に言い放つ。ジェニファー・ローレンスはただ黙って感情を押し殺す。でもそんな冷たい感情に相反して服を脱がない。そんなの御構い無しに包茎ちんぽを丸出しにする男との対比が見せられるんですよ。
まさに「ロシア版ふたりエッチ」のセクース練習シーンが流れるんですけども。
なんか役者のみんなが「ロブスター」の演技の感じに似てるんですよね。いやいややらされている、しょうがなく服を脱いでるみたいな。
最初は服を脱ぐことをためらったジェニファー・ローレンスですが、気づけば大股を広げてビーチクぱっちりちゃんとセクシースパイとして機能するようになってるんですね。
オイオイオイオイ!! スパイ養成を描くのならば、服を脱ぐことのためらいをどう取っ払ったのか教えて欲しかったんですよね。
国に縛られている、閉塞感を描きたかったのはわかる。ジェニファー・ローレンスの演技を抑揚的にしたかったのは分かる。でも、訓練中は辛く見せなきゃダメだ!そうじゃないと彼女が本番する時の痛みが分からない。
彼女にとっては、服を脱いで男を悦ばせることが、完全に国家の「所有物」となる瞬間なんですよ。その過程をなぜ描かない?
なぜ心理描写を映像にしない?
[拷問シーンも見せ場が、、、]
スパイ物ということで、数々の拷問シーンが見せられるんですけど、今回一番の見せ場となるはずだった拷問が「火傷患者用に使われる皮むき器」
要は大根の皮を剥く時のピーラーですよ。それを人間用に改良したんですよ。
それを使ってアメリカの要人を拷問するんですが、皮を剥く時にクローズドショットにしないんですよ!!!!!
人間の皮を剥く、こんなセンセーショナルな拷問もないですよ。普通なら肌にギリギリまで寄って、産毛が見えるまで接写して、その産毛が切り取られるくらいの映像を見せてくれよ!!!
あまり痛みを感じないんだよ、あれじゃあ、、、、
冷たく乾いた作品を目指しすぎたあまり、セクース教練シーンも拷問シーンも半端で、あまり面白くなかった、、、、
女が国に染まっていく=赤くなっていくというコンセプトは良かったのですが、ただそれだけでした。。。。
とにかく見てください! オススメです!!!