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はい!!! 皆さんこんにちは!!!!

 

Machinakaでございます!!!!!!

 

今回ご紹介する映画はですね、地方都市に長く住んだことのある人間であれば必ず感じる、地方都市の狂気を描いた作品でございます。

 

皆さん、日本って単一民族で、差別などない。そもそも差別する対象がないって、思ってませんか?

 

テレビも新聞もほとんど取り上げないんですけども、実は日本は、特に地方都市においては、未だに差別って続いてるんです。

 

まぁこの話をしても、行き着く先はネガティブだったり、決して盛り上がる話にはならないのは分かってますよ。過去の過ちとして放置しておきたいかもしれないけども。。

 

でも、そんな現代の闇を商業映画として、娯楽として成立させようとする男がここにいるんですよ!

 

ブラックなネタかもしれないけど、これが地方都市のリアルだ!! その事実を、この目で、この耳で感じろ!!

 

 

 

 

それでは、、、、「ビジランテ」批評いってみよー!!!!

 

 

 

 

 

 

 

[あらすじ]

 

 

・「22年目の告白 私が殺人犯です」「SR サイタマノラッパー」シリーズの入江悠監督によるオリジナル脚本作品。

・大森南朋、鈴木浩介、桐谷健太の主演で、入江監督の地元である埼玉県深谷を舞台に地方都市特有の暗部を描いていく。

・高校時代に行方をくらました長男の一郎、市議会議員を務める次男の二郎、デリヘルの雇われ店長をしている三男の三郎。三兄弟はまったく世界の異なるそれぞれの道を生きてきた。

・兄弟の父親が亡くなり、失踪していた一郎が30年ぶりに突然帰ってきたことにより、三兄弟の運命が交じり合い、欲望や野心、プライドがぶつかり合う中で、三兄弟を取り巻く事態は凄惨な方向へと動いていく。大森、鈴木、桐谷がそれぞれ長男、次男、三男を演じるほか、篠田麻里子が次男の妻役で出演。

 

http://eiga.com/movie/86664/

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[監督の作家性]

 

監督は入江悠さん!!

 

http://eiga.com/person/17268/gallery/0469969/

 

 

今や飛ぶ鳥を落とす勢いの監督ですね!

 

あの名作「陸軍中野学校」をリスペクトしつつも、亀梨くんを主役に堂々たる国産スパイ映画となったエンタメ映画「ジョーカーゲーム」、そして藤原竜也主演「22年目の告白〜私が殺人犯です〜」では2017年上半期の興行収入ベストに!

 

もはや国民的監督と言っても過言じゃないでしょう?

 

しかし、彼のキャリアはエスカレーター式にスイスイいったもんじゃない。彼は根っからの映画監督の道を突き進み、邦画でよく見られる「テレビ屋」の映画監督ではないんです。

 

2009年の「SRサイタマのラッパー」にてゆうばり映画祭のグランプリを獲得!

 

そして「ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル」にて2009年のシネマランキングのなんと1位を獲得!!!!

彼のキャリアはここからスタートしてるんですよ(ジャポニカ・ウイルスもあるけど。。)

 

タマフルファンにとっては、本当に衝撃的だった一幕でございます。それにしても、今や大出世した入江悠監督を2009年に見出していたなんて、、さすが宇多丸師匠だぜ!!!

 

はい、今では商業映画中心になっている入江悠監督ですけども、ミニシアター系の映画も撮っていて、バランス感覚がとてもある。ミニシアター系と言っても、「太陽」では神木隆之介くんと門脇麦ちゃんを主演に迎えて、収益化も見込める。しかし、作品は監督の持ち味が十二分に活かされている、、

 

この「個人の作家性と商業性の両立を保つ圧倒的バランス感覚」が監督の魅力なんです。

 

 

そんな彼の作家性を一言で表すと、、、

 

「日本の村社会の闇というリアルなノワール」

 

を描く監督だと思っています。

 

横浜出身の彼がなぜ地方都市ばかりを選んでるのか分かりませんが、、、

とにかく彼が描くのは、村八分だったり、被差別部落だったり、現代が抱える日本社会の闇を描くんですよ。だから主役は仲間外れにされたり、孤立していることが多い。

これだけ聞くと、あたかもスピルバーグの映画にも見えますけども、彼の場合は「日本の村社会」なのであります。

 

肌の色も話す言葉も同じ。だけど明らかな差別があるのが、日本の村社会の特徴なのです。しかも、日本ならではの陰湿で閉鎖的な、まるで日本の気候を表すようなジメジメした嫌ぁな部落差別という、商業映画には絶対に向かない内容をあえて貫いているのです。。。

 

よくよく考えてみると、2016年の「太陽」では明らかな被差別部落表現。神木くんの家庭は村八分にされているのですから。。

 

また「SRサイタマのラッパー」では、地方議会に売れないラッパーがラップを披露してスベってまるで理解されないというシーンからも、「変化を求めない日本の村社会」へのメッセージを示唆するものだったのかもしれません。。。

 

 

はい、ということで前置きが長すぎましたけども、今回のタイトルは「ビジランテ」

日本語に置き換えると、「自警団」でございます。

 

日本の村社会の闇を描いた監督が自警団モノ。。。

もう考えただけでワクワクすっぞ!!

色んなところから怒られないか不安ですが、、、無事に公開されたのでなんとかセーフでしょう!!!

 

 

 

それでは映画の感想でっす!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[映画の感想]

 

 

 

現代日本の商業映画の監督とは思えない、突き抜けた過激表現。。。

 

今のテレビじゃ絶対に見れない映像、メッセージ、、、これぞ映画の楽しみだ!!!

 

前作「太陽」ではフィクションで描いた日本の村社会の闇を、今回は現代劇になって描いた点が素晴らしい!!

 

過激な保守層、グレーな政治家、ネトウヨ的若者、、、よくぞ映画化してくれたっ!!

 

これが現代の闇(ブラック)!

 

ブラックを映画という娯楽で映画化した監督に敬礼ッ!!

 

そして、大森さん演じる長男に感動、地方議員の次男がイタい、そして三男の桐谷健太が物理的に痛すぎる、、、、

 

これを見ずして何を見る!? 日本だからこそ出来る地方都市ノワール映画だっ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

[よくこの内容で全国公開が、、、]

 

 

はい、何回も言いますけど、よくこの内容で全国公開できたなっ!!! よく桐谷健太さん出演したなっ!!

 

入江悠さんと同じくらい、桐谷健太さんも商業映画とミニシアター系映画のバランスが良い。どっちも出れる俳優って素晴らしいですなγ(▽´ )ツヾ( `▽)ゞ

 

今回も監督の作家性が貫かれた、とっても素晴らしい内容になっておりました。

 

特に今回はですね、被差別部落の対象がハッキリと描かれているんですよね。

これネタバレに当たらないと思うので言っちゃいますけど、とある地方都市の公営住宅に住む中国人と町の自警団が衝突する話になってるんですよね。しかもですね、「衝突」という表現をさっき使ってしまいましたけども、思いっきり暴力を使います。

この映画、かなりバイオレンスです。バイオレンスに比例して、いっぱいおっぱい出ます、感謝です。

 

 

これ、普通の商業映画なら絶対に出来ないですよ?

公営住宅と聞いて、とてもクリーンで普通の住宅に思えるかもれしれませんけども、公営住宅って基本的にすごくボロくて、ほとんど改修がなされない団地なんですよね。なんとかRのおしゃれ団地と比べてみるといいですよ。。

 

これ、色々考えたんですけど、おそらく日本人の被差別部落を扱ったら公開がアウトでしたよね、、、分かりませんけども、非常に難しかった気がする、、、

 

それにしても、今やハリウッドがペコペコしている映画消費者大国である中国人を被差別部落として描いているのが本当に凄い、、、

 

映画では、町の自警団は中国人部落を敵対視して、悪として捉えていますからね。。しかし、そもそも自警団が動いたのも、クレームを付けた日本の住民がいたから。

 

部落差別と外国人の差別を同時に表現し、それを日本の自警団が暴力を持って、この日本から追い出そうとする、、、、

 

これが現実に起きたら国際問題にまで発展しそうですけども、実際は絶対に日本じゃやらないですよね。

 

実は私もですね、親に言われましたよ。「あの地区には近づくな」とかね。

 

子供の頃の私は、親の言うことを素直に聞いて言うとおりにしてたんです。

 

ここで質問なのですけどもね、じゃあ私の親は差別主義なのかって話ですよ。

答えはもちろんノーです。何故なら、私の親も、同じく親から「あの地区に近づくな」と言われ続けてきたのでしょう。

 

これが習わしとなり、村の掟となり、結果的に永続的に差別が続いているという現象が起きているのです。そう、差別をしているのは日本の個々の村なのです。

 

ちょっと話がまとまらなくなってきましたが、つまり、日本に住む人、特に地方都市に住む人であれば必ず感じたであろう「閉塞感」だったり、「村社会の怖さ」を、劇映画にしているのが最大の特徴なのです。

 

 

 

 

 

 

[時代が一瞬分からなくなるほどの世界観を冒頭に]

 

驚くべきは冒頭のシーン

 

三人の子供が川でもがきながらも、逃げようとしている。真っ暗で分かりづらいが、着物のようなものを着ているようにも見える。

 

しかし、あっけなく父親に見つかって、前作「太陽」で見られたような古い民家の玄関で、子供達は江戸時代の拷問のような折檻を受ける。。。

 

で、これ後々分かってくるんですけど、おそらく1970年代ですよヽ(`Д´)ノ

 

どう考えても江戸時代だろって思うだろ!!と一瞬錯覚させるほど、違和感のある画作り、、、

 

 

冒頭のシーンで面食らいますからね、この映画に迷い込んでしまった感というかな、、、

 

子供達が父親から逃げられないと同時に、我々観客もこの映画から逃げられなくなってしまった。。。みたいな。

 

この、冒頭から「日本の村社会の嫌ぁな部分を写しますからね〜、こういう映画ですよぉ〜」って、この映画の特徴を冒頭から説明してしまうわけで、入江悠監督の作品に対する自己紹介能力が半端ないわけです。こんなのどんな大企業に入っても受かってしまいそうな、、、

 

そもそも、主演三兄弟の名前が異常なほど単純ですからね。

 

一郎、二郎、三郎って、、 今こんな名前つけたら、愛嬌のカケラもないって言われそうだけども、昔なら当たり前の名前だったんだろうなぁ、、今じゃラーメン二郎しか見ないもの≧(´▽`)≦

一見関係なさそうですけど、この名前にこそ日本の古き村社会の名残が通底していると思うんですよね。

 

 

 

 

 

[演者のバランス感覚は健在]

 

今回もキャストは非常に豪華でございます。

 

超有名どころでいえば、桐谷健太さんと篠田麻里子さん!

 

篠田麻里子が出てるってスゲェな! なんでだよw どうやって口説いたんだよ!? そしてよく承諾したな!?

 

おそらくこの映画、普通だったらあまり紹介されずに、あまり売れずにいたかもしれません。内容も内容ですし、、、

 

しかし、この超有名な二人を起用することで、マスコミも無視できなくなる。結果的に映画が紹介されて収入につながる。監督がどこまで考えているか分かりませんが、いくらミニシアターであっても看板俳優が、売れる俳優が絶対に必要なんですよね。

 

作家性と商業性の両方を保つバランス感覚として、非常にすぐれている原因はそこでしょうね。売れている俳優を必ず起用し、映画自体の収益化もしっかり考えている。

 

それに、単に商業性で俳優を選んでいるのでなく、ちゃんと演技が出来る人を選んでいる。

 

例えばですよ、現役ラッパーである般若さんをちゃっかり起用しているあたりも上手いところだと思います。

 

 

あと俳優で良かったのは、今回のMVPが桐谷健太さんでしょう。

これは言っちゃってもいいと思うんですが、今年見た映画の中で一番痛い演技をしていましたよ!!!

 

あんな脂汗まみれで爽やかのカケラもない桐谷健太さん、、テレビじゃ絶対に見れないぜ!!!

 

桐谷さんはですね、冒頭から申し上げている地方都市の現代的ノワールを一人で背負っているようなものなんですよ。

 

チンピラにいいように使われて、殺されかけて、せっかく助けた女たちには馬鹿にされて、、、、

 

桐谷健太がとことんダメに見えるんですよ( ̄▽ ̄)

でも、そこが桐谷さんが最も輝く場所だと思っているし、本人もそう思っているでしょう。

 

 

 

長くなりましたが、日本社会のタブー的な要素を盛り込んで、映画として昇華させたのは素晴らしい!! 目を背けずに、ぜひともご鑑賞ください。。。

これは映画だから、と現実と区別できないはずです。だって、近い将来、日本人は多くの差別と向き合うことになるし、この映画を見てシミュレーションをしておくのも一つの手かと。

 

 

最近見た「全員死刑」と言い、地方都市ノワールはメキメキと日本映画で光を放っているのであります。。

 

 

 

優先するのは、自分の生活か、国際的正義か?

 

守るべきは、自分か、家族か?

 

猛烈に襲いかかる外圧に、乗るか、反るか?

 

これぞ現代社会の闇!自分の目で確かめろ!!! 

 

 

 

 

 

 

 

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