こんにちは!

 

Machinakaです!!

 

 

今回批評する映画はこちら

 

 

 

 

 

 

 

 

「セールスマン」

 

 

 

 

 

 

 

 

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はい、昨年度アカデミー賞の外国語映画賞に選ばれた映画でございます。

 

 

作品の内容よりも、トランプ大統領のイスラム教徒入国禁止策に反対した監督が、アカデミー賞をボイコットするという異例の事態がニュースでも騒がれましたね。。

 

ちなみに、その前のアカデミー賞は黒人監督のスパイク・リーがボイコットして話題になりましたが、次はイスラム教徒、、、、

一体来年は誰がボイコットするのやら、怖いねぇ、、、

個人的には、アジア人俳優たちがボイコットしそうな気がするが、それは次のアカデミー賞を待つしかないね笑

 

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すっごく楽しみにしてたのですが、この映画、、、、

 

 

 

思ったよりヘビーだった、、、辛い、辛いよ、、、、、(褒めてますけど笑)

 

 

イスラム社会の閉塞感、夫婦問題、男女の価値観の違い、選択と結果の物語、、、

 

色んな要素が多すぎて評論に困るよw笑

 

ただ、是非見に行って頂きたい作品でございます。。。

 

見た後は確実に印象に残る、この映画について誰かと語りたくなること必至でございます。

特に、男と女で感想が大きく分かれると思いますので、男女で見ていただければと思います。もし異性の知り合いがいないという方は、ぜひこの記事でコメントくださいねヾ(@°▽°@)ノ

 

 

 

ということで、「セールスマン」批評いってみよーーー!!!!

 

 

 

 

 

 

[あらすじ]

 

 

・「別離」「ある過去の行方」などで知られるイランの名匠アスガー・ファルハディ監督が手がけ、2016年・第69回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で男優賞と脚本賞を受賞、第89回アカデミー賞で外国語映画賞を受賞したサスペンスドラマ。

・小さな劇団に所属し、作家アーサー・ミラーの戯曲「セールスマンの死」の舞台に出演している役者の夫婦。ある日、引っ越したばかりの自宅で夫が不在中に、妻が何者かに襲われる。

・事件が表ざたになることを嫌がり、警察へ通報しようとしない妻に業を煮やした夫は、独自に犯人を探し始めるが……。劇中で描かれる演劇と夫による犯人探し、そして夫婦の感情のズレを絡めながら、思いがけない方向へと転がっていく物語を描く。

http://eiga.com/movie/86149/

 

 

 

 

 

はい、あらすじを読んでいただければ分かると思いますが、念のためもう一度説明を

 

 

夫の外出中に、妻が自宅で誰かに暴行されてしまい、夫は犯人探しに奔走します。

しかし、一方で妻は夫に非協力的。夫はついに犯人を見つけるんですが、妻は復讐に反対するという話なんですね。

 

 

うーん、設定だけで非常に重い話だ(ノ_・。)。

 

でも鑑賞前はこんな重い話とは思わなくて、「アカデミー賞映画だ!」とウキウキしながら映画館に入った自分に喝を入れたいですよw

 

 

はい、ということで映画の感想にいっきます!!!

 

 

 

 

 

[映画の感想]

 

 

淡々と、そして静かに日常生活が崩壊していく。爆発シーンも暴力シーンも一切ないが、とても恐ろしい映画になっている。

 

暴行された妻のため、復讐心に燃える男。しかし、妻は復讐に反対する。

 

襲われたらその報復をすべきだ、許せない、と男は怒る。

 

しかし、被害者の妻は復讐に反対する。

 

なぜ復讐に反対するのか? その答えがこの映画で明らかになる。

 

復讐するということ、警察に被害届を出すということは、外部に暴行されたという事実が漏れるということ。

 

それは、女性にとって最も屈辱的なことなのかもしれない。

 

 

さらに、イスラム社会の閉塞感の中で生きる女性にとって、いくら犯人だからといっても男性を糾弾し社会的地位を下げる行為は、決して好ましい行為ではない。

また、イスラム社会の法律では女性が暴行されても女性の方が悪いと判断を下される。だから、簡単に警察に行って司法の判断を委ねることはできない。

 

 

でも、このまま黙っていていいのだろうか。暴行を加えた男に罪を与えるべきではないのか?

 

暴行を公表し犯人に罪を償わせるべきか?

それとも泣き寝入りするしかないのか?

 

どちらが夫婦にとって正しい選択なのか?

 

イスラム教社会における女性の暴行事件の扱いの難しさに、あなたの倫理観は大きく揺さぶられる。

 

 

 

 

 

[静かな作風、その背景とは]

 

 

この映画、テーマは重いのにすっごく静かな作風なんですよね。爆発シーンも、過激な暴力描写もない。

 

イランでは映画を作る時に検閲があるらしく、これをパスするために静かな作風にしたのかもしれませんが。

 

この映画は驚くほど大きな音が出ないんですよね。あと、夫婦喧嘩をしていても大きな声を出さない。

 

悪い言い方をすれば、映画的な盛り上がりがあまり無い笑 要はマイケル・ベイと180度作風が違うってことだよ!!笑

 

この静かな作風というのがイスラム教下の閉塞感を象徴しているような、そんなイメージにもつながりました。

 

ただ、音響や映像に派手さは無い分、非常に脚本は巧みで、、、

 

この映画の主人公夫婦は、仕事の傍ら「セールスマンの死」という演劇をやってるんですね。で、この演劇でも夫婦役を主人公夫婦が演じてるんですよ。

この演劇シーンがかなり映画中に挿入されているんですけど、、、

 

この演劇と映画のストーリーが上手く絡み合ってるんですよ。例えば、演劇中のセリフが実生活に大きく反映されていたり、実生活で夫に言えないことを、演劇中のセリフではハッキリ言っていたりね笑

 

この映画、もちろん女性の暴行事件というのが大きなテーマになっているのですけども、それ以前に夫婦間の衝突に関する物語でもあるんですよね。だから、物語が非常に重層的で、見る人によって感想が全く異なると思うんですよ。

 

また、過激なシーンは政府の検閲のため控えている分、観客の想像を掻き立てる巧みな演出がされていてるんですよ。。

 

例えば、妻が暴行されるシーン。普通の映画だったら、男が女性を襲うシーンを作ったりするんですが、イランの映画では許されない。

でも、暴行シーンを入れないと、映像的に説得力がない。。。。

 

ということで監督が考えた案は、、、、

「ドア」です

 

これ、言っても何のこっちゃ分からないので問題ないと思うんですが、、、

この映画、ドアがめっちゃくちゃ恐ろしいんですよ(´_`。)

 

こんなにドアが恐ろしいと思ったことはない。直接描写はないけど、ドアだけで十分その恐怖が伝わる、、、、

 

はい、あとは劇場で確認してくださいませ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[暴行を公表するか否か]

 

はい、そしてこの映画で最も議論される点、「暴行を公表するのかいいのか、悪いのか」

 

妻を暴行された夫にとっては、当然犯人をとっちめてやろうと復讐心に燃えるわけです。

しかし、直接被害にあった女性の妻は、自分が暴行にあったことなんて外部に公表したくないわけです。しかも、イスラム教という男尊女卑の世界では、暴行された女性に暴行罪が適用されるケースが多いのです。

 

ちょっと理解し難いのでもう一度説明しますが、イスラム教社会の国では暴行された女性に対して暴行罪が適用され、暴行された女性の方が悪い、と判断されるのですよ

 

 

 

 

要は「誘った女が悪い」という、イスラム教の男尊女卑の中で生まれた、あまりにも男性に都合の良い法の解釈なのです。

 

 

こんなアホなことがまかり通るんですか!? 

 

まかり通るんですよ、イスラム教の国なら。特にイスラム教が厳格なイランでは、女性の社会的位置も低い状態で、女性が男性に逆らうことはありえないという世界。

 

 

こんな社会の中で、女性が暴行されて、それを警察に通告することはどういうことか。場合によっては妻が暴行罪に問われることもあるんですよ。

 

だから、夫は警察を使わずに独力で犯人探しに奔走するんですよね。

 

 

ただ、いくら犯人探しをしようと、妻は復讐に非協力的なんですよね。

 

それは、イスラム教の女性として生まれた宿命=男性には逆らわないということを、受け入れているようにも思えます。

 

そして何より、一人の女性として、自分が暴行されたという事実を世間に公表したくなんかない、という普遍的な暴行事件の難しさを取り扱っているようにも思えます。

 

 

暴行された当人にとっては、これ以上事件のことについて語りたくないわけですよね。警察に行っても、具体的にどんなことをされたのか、どこを触られたのか、どこまで事に及んだのか、、と、書いてるコッチが辛くなることを、警察や法廷では聞かれまくるんですよね。

 

事件を追求することが、被害者の女性への心的ダメージに繋がるという辛さ。。

 

どうすれば被害者の女性を傷つけることなく、犯人の罪を裁くことができるんでしょうか。

 

 

さて、ここで男性である私の意見を述べさせていただきます。

 

 

 

映画を見ていた私は、「いいぞ夫、もっと犯人を追い詰めろ(`Δ´)!!」

 

と、かなり夫に同調していました。

 

だって、愛する妻が暴行されて、黙っていられないですよ!!!

 

犯人をあぶり出して、とことん追い詰めてやるぞ!!!!!

 

って気持ちになりました。完全に「怒り」の感情です。

 

 

ただ、これ女性が見たらどうなるのかなぁ、、、とも感じました。

 

被害者の女性は、一切「怒り」を見せないんですよ。彼女は、ひたすら「哀しみ」の表情を浮かべるだけで

 

 

彼女としては、とにかくこの事件を忘れたい。なかったことにしたい、という気持ちでいっぱいなのでしょうね。

 

 

直接被害を受けた妻、その夫の中で、暴行事件に対する考え方が180度違い、そのことが夫婦の仲を裂いていくわけです。

 

 

暴行事件を明らかにするのがいいのか、泣き寝入りすべきか、、、、

 

 

正解なんてないですが、この映画を見てぜひ考えていただきたいと思います。そして、可能ならばカップルで、夫婦で、男女間で語っていただきたいと思います。

 

 

 

はい、なんだか重い空気になってしまいましたね笑

 

 

 

また、ネタバレしない範囲でギリギリで言うと、映画の後半でようやく、夫は犯人探しに成功するんですけど、、、、

 

 

 

 

 

その犯人が、本当にどう裁いていいか分からない奴で、、、、

 

 

夫も、もちろん合法の範囲で犯人をとっちめてやろうとするんですけど、それが中々出来ないんですよ。

 

犯人がどういう奴なのか、それはネタバレできないんですけど、見たら貴方も思うはずですよ。

 

「これ、罪を償わしたほうがいいのか、そのままにした方がいいのか」って

 

 

そして、、、、

 

夫が犯人と対峙している際に、、、、なんと妻が出くわしてしまうのですが、、、、

 

 

その時妻が夫に放った一言が衝撃的すぎて、鳥肌たってしまいました(x_x;)。。。。。

 

 

 

まぁ強いて言うなら、結婚したくなくなる映画No.1の「ゴーンガール」のラストみたいなもんでしょうかね・°・(ノД`)・°・

 

はい、あとは劇場で全容をチェックすべし!!

 

 

オススメです!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

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