先週末、夫の会社の北海道の社員旅行の間に、姉宅へ娘とお泊まりに出かけた。
相変わらず、美味しい手料理もてなし。
姪は
「おばちゃん達が来るって分かってから、お母さん、どんなメニューにしようかしらって楽しそうだった」と。
そして、いつもどおりの深夜のおしゃべり。
今回、大いに笑いころげたのは姪のお話。
義兄が亡くなって7年。
その人生は決して平凡な人生とは言い難い。
しかし、姉も姪も義兄の思い出はいい話ばかりで、苦労話はひとつも出てこなかった。
ところが、今回は違った。
以前、自宅での看取りをサポートしていただいていた看護師さんに
「こんな仲のいい父娘、見たことありません」
と言われ2人とも「?」いう話の流れで、こんな話を聞かせてくれた。
episode ①
ある夜、酔っ払った義兄が姪に
「子供はいつか親を超えなければならない」と言った。
それを聞いた彼女は
「お父さんはおじいちゃんを超えたと思っているの?」
「うん、超えた」
「はあ?💢
何を基準にそう思っているわけ。
もしかして、年収?」
「そうだ」
「そんなちっぽけな基準で超えたなんて思っているなんて、笑わせないで。
お父さんは確かに年収ではおじいちゃんより多いかもしれないけど、おじいちゃんは菓子職人として何人ものお弟子さんを指導し、暖簾分けして育て上げてきたんだよ。
そういう人を簡単に超えたなんて、笑わせないで」
その言葉に義兄は押し黙った。
episode②
この日も酔っ払った義兄が言った。
「お店でずいぶんモテちゃって」
とモテ自慢が始まった。
そこで又、姪は
「はあ?💢
お店でお父さん、何て呼ばれているの?
“社長さん”でしょう?
そこでは、どの人もみーんな“社長さん”って呼ばれているの。
お客さんだから。
名前で呼ばれもせず、モテた気分でいるなんてばっかじゃない」
義兄の名誉のために弁護するとすれば、素面の時の義兄はとてもアカデミックで勉強家。
知識の量は実家の父も認めていた。
娘の論文を真っ先に読むのを楽しみにしていた。
家族の会話も幅広い話題で、会話が豊かな家族だった。
彼が話す言葉は、名著の一節を読んでいるような深くて、お洒落な言葉だった。
親譲りの話し上手な姪のお喋りに、笑い転げた私たちにきっと義兄は苦笑して
「笑いすぎだよ」
って言ったかも。