子どものむし歯予防は食生活がすべて 4人の子どもに歯を磨かせなかった歯科医の話
2017/11/7
黒沢 誠人 (著), 幕内 秀夫 (著)
「歯磨き」ではなく、「なに」を「どう」食べるか。
「歯磨きがむし歯の予防になるのだろうか?」と疑問を持った歯科医が自分の子どもたちに歯磨きをさせない実験を試みた。
すると、むし歯ができなかった!
そこから導き出されたのは「なに」を「どう」食べるか――。
『粗食のすすめ』で、日本の伝統食の素晴らしさを世に問い、昨今の「工業食化」に警鐘を鳴らす幕内秀夫氏とタッグを組み、食生活の見直しこそ「むし歯」をなくし、ひいては子どもの調和の取れた健康を守る。現場からのリポートと提言。
すぐに始められる「実践に役立つQ&A」付。
【むし歯予防3箇条】
1. おやつは時間を決める
2. 夕食前の1時間は飲食しない
3. 甘い飲み物を冷蔵庫に買い置きしない
西田亙氏(にしだわたる糖尿病内科 院長)推薦!
「伝統食から工業製品となった食生活が、この国を蝕み、将来に暗い影を落とす。黒沢家の『歯を磨かない実験』は、時代を超えて語り継がれる仕事になるでしょう」
幕内秀夫さんと歯科医師の黒沢誠人さんの書籍を読みました。
長女6歳、長男5歳、次男2歳、次女はお腹の中、という時に、
「歯磨きは今日からしなくていい。その代わりに、伝統食を食べるようにする」
と言って、歯科医として定期的に口腔内のチェックをしながら「実験」をされた歯医者さんの話です。
非常に優れた一冊です。これは手元に置いておきたいやつです。
4人のお子さんのアトピーを解決された歯医者さんが辿り着いた結論が詰まっています。
幕内秀夫先生が提唱「食生活の10ヶ条」
1. ご飯をきちんと食べる
2. 発酵食品を食べる
3. パンの常食はやめる
4. 液体でカロリーを摂らない
5. 未精製のご飯を食べる
6. 副食は季節の野菜を中心に
7. 動物性食品は魚介類を中心に
8. 砂糖、油脂の摂り過ぎに注意
9. できる限り、安全な食品を選ぶ
10. 食事はゆっくりと、よく噛んで
*伝統食を守る先住民には虫歯がなく、歯並びもきれい
*近代化した地域の子どもたちは虫歯があり、歯列弓に異常が出て歯並びが悪く、鼻孔や顔が変形
↓歯の健康を守る重要なメカニズム
「食事をする → 脱灰 → 再石灰化」
脱灰 → 虫歯ができやすい状態
再石灰化 → 虫歯ができない状態
何を食べるかより、どう食べるか
「1日3食+1日1回のおやつ」→ 再石灰化の時間が長く、虫歯にならない
「1日3食+寝る前も含めた頻繁なおやつや甘い飲み物」→ 脱灰が多く、再石灰化の時間が短く、虫歯になる
「伝統食=むし歯ができない食べ方=健康な歯=あごが正常に成長する」
黒沢「むし歯を防ぐ方法3つ」
1. おやつは時間を決める
2. 夕食前の1時間は飲食しない
3. 甘い飲み物を冷蔵庫に買い置きしない
黒沢さんのお子さんは、歯磨きなしでむし歯ゼロだったものの、上のお子さん二人は中学生になってお菓子の買い食いが始まり、むし歯ができてしまったそう。下のお子さん二人はそれを教訓にしたのか、食習慣をきちんと守って20代でむし歯ゼロだとか。
幕内「清涼・炭酸飲料水(特にスポーツ飲料)の害は、圧力がかかっていて周知されにくい。」
幕内「精製された砂糖+油などの「組み合わせ」で、食品の依存が発生し、ドラッグフードとなる。」
ハードドラッグ:覚せい剤、MDMA、コカイン、LSD、ヘロイン、アヘン、マリファナ(大麻)
ソフトドラッグ:アルコール、タバコ、コーヒー、緑茶、チョコレート
マイルドドラッグ:スナック菓子、スイーツ、清涼飲料水、菓子パン、カップ麺
幕内「現代の食生活の問題点6つ」
1. エネルギー源の変化
2. 微量栄養素の欠乏
3. 食物繊維の不足
4. 食べ過ぎ
5. 化学物質の増加
6. 軟らかい食品の増加
最大の問題点は1.
米・雑穀・いも類・豆類・魚介類 → 輸入小麦粉・油・砂糖・肉・牛乳
工業製品へと変わったことが、微量栄養素や食物繊維の摂取量を激減させ、食べ過ぎを招き、化学物質の摂取量を増やし、軟らかい食品を日常的に食べるようになった。
70点を目指す子供の食生活 ~6つの提案~
1. 外遊びをさせましょう
↳しっかり遊べばお腹が空いて何でも美味しいので、手のかかる料理は不要
2. 子どものための食事は作るな
↳ケの日である普段の食事がお子様ランチ化すると子どものむし歯や肥満、生活習慣病の原因に
3. 飲み物は「水」「麦茶」「ばん茶」
↳現代の食生活の最大の問題は清涼飲料水にあり
4. 朝ごはんをしっかり食べさせましょう
↳ご飯、漬物、佃煮、焼き海苔、常備菜、味噌汁
5. 子どものおやつは「食事」
↳おにぎりがベスト。子どもと大人のおやつは意味が違う
◎おすすめ1:おにぎり、水、麦茶、ほうじ茶
◎おすすめ2:もち、うどん、そば、さつまいも、じゃがいも、トウモロコシ
○ややおすすめ:せんべい(塩味、しょうゆ味)、栗、甘栗、くるみ、いり豆、ぎんなん、松の実、じゃこ
△たまには:季節の果物、ドライフルーツ、緑茶
×まれにしましょう:和菓子(まんじゅう、だんご)、アメ、ガムなど
××特別な日のお楽しみ:洋菓子(ケーキ、クッキー、アイスクリーム)、せんべい(揚げ)、牛乳
×××買わないようにしましょう:スナック菓子、清涼飲料水、炭酸飲料水、乳酸菌飲料、スポーツ飲料
6. カタカナ主食は日曜日に
↳ゼロにするのは現実的ではないので、せめてハレの日だけにしましょう
~30%の提案~
7. 副食は季節の野菜、いも類、海藻類を中心に
↳油の少ない調理を
8. 動物性食品は魚介類を中心に
9. 米は未精製のものを(可能な範囲で)
↳おすすめは5分づき米、家族全員が食べられるものを
10. 食品の安全性にも配慮したい
↳6つの提案を意識すれば工業製品が少なくなるが、無理のない範囲で、食品添加物、農薬、ポストハーベスト農薬などにも配慮したい
*テレビや新聞、漫画などを見ながら食事をすると、緊張状態になり唾液の分泌が抑制されるため、食事の時はテレビを消しましょう。テレビゲームをしている時は、緊張状態となり、口の中が乾きます。節度を保ちましょう。
子どものあるかたもないかたも、ご参考ください。
我が家の第1子、8才。歯が生え変わりつつありますが、歯並びの悪さと、あごの小ささは気になっています。まだ間に合うでしょうか!