猫が好きな方は、
皆さん経験があるのではないかと思うのですが。
猫が抱っこしてほしそうにするので、
抱っこしてやると、
最初は嬉しそうにしてるのだけど、
そのうちに「なんかうっとおしいなー」みたいな感じで暴れ、
支えきれなくて猫を落としてしまうってことはないでしょうか。
しまった!
猫を落としてしまった!
とビックリするのですが、
猫は空中でくるんと体制を整えて、
足からすとんと着地します。
そして何事もなかったように、
すたすたとどこかに行きます。
あーよかった。
怪我しなかったみたい。
猫って運動神経いいなー。
などと思っていました。
そしたら、
なぜ猫は空中で体制を元に戻せるのかについての本がありました。
「『ネコひねり問題』を超一流の科学者たちが全力で考えてみた
『ネコの空中立ち直り反射』という驚くべき謎に迫る」
長いですが、これが本のタイトルです。
↓タイトルが収まりきっていないです。
著者は、
ノースカロライナ大学シャーロット校、物理学・光科学教授。
物理学といっても、
一般人に向けて書いているので、
難しい本ではありません。
ユーモアいっぱいの楽しい本。
内容を簡単に説明しますと。
猫は、高いところから落ちるとき、
体をひねって足から着地しますが、
それは、
「ネコひねり」「猫の宙返り」「キャットツイスト」などと呼ばれているのだそうです。
「ネコひねり問題」とは、
猫の空中立ち直り反射を科学的に説明する問題。
人類は大昔から、
多くの科学者たちが、その謎に挑んできたのだそうです。
知らなかった。
「ネコひねり」は、
長いこと謎に包まれていましたが、
1800年代後半、初めて連続写真で撮影されて、
その動きがはっきりしました。
同時期、
高層ビルが建つようになり、
猫の落下事故が増えていきます。
低層階から落ちて死んだり骨折したりする猫がいる中で、
30階前後から落下しても怪我さえしない猫がいることから、
なぜなのか。とさらに謎が深まります。
猫落下事故調査によると、
8階程度で一番怪我が多く、
9階以降は返って怪我が減っていくというデータがあるそうです。
9階以上になると、
猫は、体を伸ばしてパラシュートのように落ちることで、
一番ダメージの少ない方法で落下しているようです。
頭から落ちるともちろんダメなんですが、
足から落ちても高層階では、大きなダメージがあります。
地面に着地するときに、
表面積が一番大きくなる方法がいいようです。
万が一高いところから落ちてしまったとき、
物理学的には、
両手両足を伸ばして、
ムササビのような格好で落ちるのがいいようです。
実際には、いざというとき、
そんなことできるかわかりませんが。
過去には飛行機事故で
10000メートルから落下したのに命が助かった客室乗務員の女性がいたそうで、
うまく落ちれば最低限のダメージで済むのだそうです。
猫は本能的に、
一番ダメージが少ない方法を選択できているようです。
でも、
人間にはその本能がなさそうです。
また、
空中=支点のないところで、
なぜ体をひねることができるのか、
という問題もあるのですが、
高飛び込みの選手に飛び込み台にぶら下がってもらい、
反動なしに落ちながら体制を整えられるかの実験をしてもらいますが、
人間にも可能だったそうです。
後半難しくて少々読み飛ばしましたが、
結局、まだ結論は出ていないようです。
しかし、
世界中の有名な物理学者が、
この問題に挑んできた歴史にまずは驚かされました。
そして、
猫が体をひねる連続写真と、
ヘタウマな挿絵にかなり癒されました。
印象に残ったところをちょこっと書きだしましたが、
全然おもしろさが伝えられていないような気がします。
うまいこと書けないのだけど、
最近読んだ中では、
おもしろい本上位です。
中1にも読めたので、
物理が苦手な人も大丈夫。
猫好きの人にオススメです!