原発事故に関心があるねこ太に

借りてきた1冊。

毎日小学生新聞編&森達也さん著の

「僕のお父さんは東電の社員です」

 

 

原発事故から3週間したころのこと。

毎日小学生新聞に、論説委員の、

東電の責任について書かれた文章が掲載されました。

 

しばらく経って、

それを読んだ、

お父さんが東電社員だという小学6年生の男の子の投書が

掲載されました。

 

本当に東電だけがいけないのですか?

皆が電気を使って、電気を必要としていること。

地球温暖化を止めるために、火力ではダメなこと。

ダムを作るために、山奥の村が犠牲になっていることなどから、

皆が原子力発電所を作ろうと言ったのではないか。

国が安全だと許可を出した経緯もある。

今、東電だけを責めるのではなく、

皆で話し合うことが大事なのではないですか?

(だいぶ要約)

 

という投書でした。

それをきっかけにして、

全国の子どもたちや大人たちが

次々と自分の意見を投書しました。

 

それをまとめた本です。

後半の1/3のは森達也さんが書いています。

子ども向けに、優しく語りかけるような文章で。

私は森達也さんの文章が好きです。

いつも白黒言いません。

悩んで悩んで、結論出ないままって本が多いです。

誰が悪いとか、何が悪いとか、

調べれば調べるほど、わからなくなるのです。

 

「死刑」という本では、

自分は死刑に賛成か反対かわからなくて、

様々な人を取材します。

元死刑囚や、刑務官、など、たくさんの当事者を。

で、分厚い本を読み終わるけど、やっぱりわからない。

読んでる私もわからない。

 

 

「下山事件」は、

どんな事件だったのか調べていくのだけれど。

誰が悪なのか。どんな事件なのか。

やっぱりわからない。

 

 

調べたけれど、

自分の意見を決められない。

そういう日本人ぽさは私は好きです。

いつの頃からか、

自分の意見をはっきり言えない人はダメみたいな空気が出てきたけど、

決められないことも多いのです。

 

昔は、森達也さんのイベントなどにも行ったのだけど、

子育て中はなかなか自分の時間が取れなくて、

こうして息子と二人で森達也さんの文章が読めることをうれしく思います。

「放送禁止歌」あたりなら、

ねこ太も読めるかもしれないなあ。

次勧めてみよう。