国連が「未来省」なる組織をつくって地球温暖化を

なんとか食い止めそう、というSFユートピア小説

 

解説の坂村氏が指摘するように、非常に難解だが、

未来を考える一つの指針となりうるストーリーです。

 

炭素非排出、吸収に対してブロックチェーンを利用した

「カーボンコイン」をつくり、各国の中央銀行を巻き込んで

法定通貨とし、実質的な世界通貨にしてしまう。

 

世界が混乱し、恐慌に陥るなか、追跡可能な電子マネーが

世界通貨となり、タックスヘブンは一掃され、

難民支援などあらゆることが可能になる。

 

さらにfacebookなどにかわる、人々のためになるSNSの創設

 

筆者が描く舞台は世界規模だが、インドとサウジの

くだりが印象深い。

 

インドは大熱波を受けて大変革の実行部隊となり、

サウジはクーデターとおぼしきもので王族が殺害され、

サウド家の王政は終わり「アラビア」となり、

脱石油の推進国となる。

 

カーボンコインをアマゾン先住民に与えるなど

途上国への対処も興味深く描かれている。

 

テロまがいなことも、世界を動かす原動力として

描かれる。

飛行機は撃墜され、化石燃料による発電所

なども攻撃された。犯人は明らかにされていないが

未来省のNo.2の関わりが示唆される。

 

飛行機を使う人は激減、飛行船が空を飛ぶようになる。

 

アメリカには厳しく、中国にはえっという表現も散見される

 

帝国主義的な自己愛を慈善活動のふりをして

実現するアメリカ人に比べれば、「一帯一路」を

つかってアジア地域に影響力を持とうとする中国人は

まだ正直なくらいだ。

 

メアリーの言葉

みんなが彼ら(中国人)と同じようなやり方をするように

なったのは見ればわかるわ。国有企業のことよ。