シェルター保護猫のトラが、3月14日(水)未明に旅立ちました。
トラ・・・♂、15歳(推定)、FIVキャリア
去年9月、
「強い猫がいて、いつも車の下でオドオドしている老猫がいる。ケンカでケガをしたので病院へ連れて行ったものの、いつまでも病院に置いておくわけにはいかない。かといって、戻せばまた傷付けられる。腎臓の数値も思わしくないようだが、どうしたらいいか」
という相談を受け、餌やりさんとの話し合いで、<やむを得ない事案>としてシェルター保護することになった・・・。
シェルターにやってきたトラは、メンバーの誰しもが、「こりゃまた、すごいね・・・」と呆れるくらい攻撃的な猫だった。
普段は、ケージの隅にじ~っと身を潜めているが、お世話のためにメンバーがケージに近づくと、いきなり「シャーッ!!」とくる。
非常に心臓に悪い<びっくり箱のような>猫だった。
トラにしてみれば、ほかの猫に追われて、ご飯を食べることもままならない状態にあったとはいえ、ずっと外で暮らしてきたわけで、
それが「ご飯だ!」と食いついたとたんに、ガシャン!・・・捕獲器の中。
家の中(シェルター)という知らない世界の、ケージというスペースに放り込まれたのだから、警戒心MAXになるのも、ムリはない。
それでも、段々と、シェルターの雰囲気に慣れ、落ち着いてきたころに、新シェルターへの移転。
これを機に、同じFIVキャリアの猫たちと、専用のスペースでフリーの暮らしが始まった。
少しずつ落ち着いて行くトラを見て、「いつか、ブラッシングしてやろう」とみんなが思っていた・・・
それが先々週の土曜日のこと。
お世話当番のメンバーから、メールが一斉配信された。
「明らかにおかしい。触っても反応が鈍い。脱水しているようだ・・・」
急ぎ協力獣医さんの元へ。
検査の結果は、腎不全。高齢の猫がかかりやすい病気・・・そして、治ることのない病気。
脱水症状がひどかったので、そのまま、協力獣医さんで様子を診てもらうことになった。
高齢で、FIVキャリアで、腎不全・・・血液検査の結果からも、そう長くはないだろうと想像できた。
完治の見込みはない・・・それでも、少しでも楽でいられるように、緩和治療を施す。それが会の方針。
トラの脱水症状を緩和するために、継続して補液していただくことにした。
やはり補液をすると楽になるのか、身体を起こしていることもあった。
しかし3日前、協力獣医さんから、「そろそろ・・・」という連絡があり、引き取ることも考えたのだが、
「今、補液をやめると、痙攣を起こす可能性がある」とのことで、そのまま看取っていただくことになった。
そして、昨日の朝、「静かに旅立った」と連絡をいただいた・・・
協力獣医さんへ、トラを引き取りに行き、いつも譲渡会でお世話になっている寿量寺さんで荼毘に付すことになった。
先生からは、「よく頑張ったよ」と褒めていただいた。
見送るのは辛いし、淋しいけど、苦しまずに旅立たせることができたことが、救いだ。
・・・・
看取っていただいた先生には、本当にお世話になり、ありがとうございました。心より感謝申し上げます。
やむを得ない事情で保護することになった猫が、高齢だった場合、看取ることも心しておかなくてはなりません。
そのとき、安らかに旅立てるよう、尽くしたいと考えています。
そのとき、安らかに旅立てるよう、尽くしたいと考えています。