“共鳴”とは。
いったい何が響き合うというのか?
<映画『クローンは故郷をめざす』より>
以前にも何かの記事で少しだけ触れましたがボクには兄がいたんですね、
自分がまだ幼少の頃に3歳という短い命が閉ざされました、交通事故で。
子供の頃から母は兄の話になると呟きます、
「どんな方法でも帰ってきて欲しい、会って抱きしめたかった・・」
まだまだ働き盛りだった父が数年前に旅立ちようやく理解できそうです。
例えば“どんな方法でも”にクローニングが選択できるとしたら皆さんは、
それでも会いたいですか♪
(人それぞれ)
家族や恋人?友人やペット?“複製として再生”されても同じ様に愛せるか。
今回ご紹介する映画『クローンは故郷をめざす』のテーマでもあるのです〜
ところがオリジナル(本人)と複製体(クローン)が共鳴して干渉しちゃったり
そんな便利になれない。。
(ニュータイプ?)
君たちは科学というものを、
まだ細胞や機械を弄りまわすことだとしか考えていない。
<映画『クローンは故郷をめざす』より>
船外活動の事故により殉職したアストロノーツ(宇宙飛行士)の高原耕平は、生前に病床の母や献身的な妻に相談することなく死後の合法的なクローニングを承諾していた。幼少の頃に亡くした双子の弟へ責任を感じていた耕平はクローン再生されると、その深い傷を隠しきれずに家族と暮らした故郷へ逃亡する。しかし再生の失敗を案じていた研究所の隠蔽工作により安楽死が図られており、成功事例を持つ科学者の協力で完成度の高い複製体も誕生したが、生命倫理の観点から社会より糾弾もされている。そんな状況を余所に、新たに再生された耕平は逃亡したテスト体の足跡を追い始めた。オリジナルの本体、逃亡したテスト体、そして現在の自分。“彼ら”の魂を共鳴させた故郷には、一体どのような記憶と風景が広がっているのか・・・
本人も家族も困惑するよね(T ^ T)
(フクザツな心境)
これは臓器移植や部分的な培養技術とは違ってボディ丸ごと複製なので
そんなことが出来るようになっても“意識”?“魂”?は転送できないわけでー
まったく恩恵がないとは言い切れないけど脳に全部詰まってるんですかね?
新しい機体に移植すればパソコンのメモリーみたいにローディングされる?
カラダはパーツじゃないんだから
想像してみたけど例えば死んだことになった自分のクローンが誕生した場合、
ばったり出くわして話をしてみたらそれボクなんでしょうか・・
そんなことないやい♪
(誰が決めるの?)
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あ、決して難解な作品ではないのですよ
主演の及川光博さんを始め、石田えりさん、嶋田久作さんの存在感も光ります、
特に永作博美さんと品川徹さんの熱演をボクは個人的に大絶賛したいです
監督は2006年度サンダンス・NHK国際映像作家賞を受賞した中嶋莞爾さん、
エグゼクティブ・プロデューサーをヴィム・ヴェンダース(!)が勤めてます〜
灰色と黒と白、そしてグリーンを基調としたシンプルで控えめな幻想の世界観、
直線的な構図の多用によって素朴な風景や建造物に未来の風景を投影している。
フィリップ・K・ディックの小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』や、
※映画『ブレードランナー』の原作
旧ソ連の巨匠・タルコフスキーがお好きな方は特に満足度も高いと思われます、
ちょっと眠くなるけどww
でも研究所からすると出来損ないみたいな扱いをされる未完成のクローンが、
自身で払拭しきれない心の闇を解決しようと故郷を彷徨うのね。
“魂の共鳴”を非常に単調で牧歌的な流浪譚としても秀逸に描いてるんだけど、
これほどテクノロジーが進んでも最期は“自らの手”で埋葬までされたりするー
それは取りも直さず“ニンゲン”ではないかと愛おしく思えてならなかった・・
会えなくなってしまった者を待ち望み生きる糧としている方々も確かにいる。
やっぱり何だかんだ同じ姿をして還ってきたら迎えちゃうかも知れないなぁ、
おかえりなさい♪
(とりあえずゴハンだね!)
クローンと義体(サイボーグ)では様子がだいぶ違いますけれども〜