これは最後の歌じゃない。
分かるでしょう?
私たちがそうさせない限り、
最後の歌にはならないの。
< 映画『ダンサー・イン・ザ・ダーク』より >
 
 
米国のある町で暮らすチェコからの移民セルマは徐々に視力を失いつつあった。
 
たった1人の家族である最愛の息子ジーンへの遺伝による失明を免れるため、
 
昼夜をも問わない工場の重労働と内職に勤しみ多額の手術費用を貯えようとする。
 
しかし僅かな視力と生きる糧であったミュージカルを空想しながらの作業により、
 
親しい同僚のサポートも虚しくミスが重なり工場を解雇され路頭に迷ってしまう。
 
加えて懇意にしてくれていた警官の偽証によって手術費用が盗まれたことを知り、
 
取り返すための揉み合いで誤射と警官の懇願により殺人犯へ仕立て上げられる。
 
だが、法廷でセルマは真実を語らない。
 
判決された死刑の執行が近づいていく。
 
彼女が守ろうとしたものは何なのか?
 
敬愛するブロガーさんがオススメしてくれたお陰でようやく初見の鑑賞です!!
 
主演はアイスランドのカリスマ、ビョーク乙女のトキメキ
 
他にも、あんまり冴えない役柄ではありましたが見落としていた収穫があって、
 
大好きな『グラン・ブルー』のジャン=マルク・バールも出演してたり合格
 
公開されてからもう17年?くらい経つようですけれども、
 
気にはなってはいたもののナゼこれまで避けてきちゃった作品なんだろう?
 
単純に、
 
後味がワルイ。。
(救いようがないとかさ)
 
そういった一部からの批評や周囲の感想に振り回されていただけでしたネあせる
 
今さら第53回カンヌ国際映画祭のパルム・ドール受賞を素直に賞賛したい拍手
 
ミュージカルって得意な分野ではなかったけど自然に入り込める描写でして、
 
余談ですが『舞妓はレディ』みたいなのも楽しくてお気に入りではあります音譜
 
音楽を聴きながら街を歩いたりドライブしたりするとボクもよく空想するよ〜
 
視覚から入った映像を脳内編集してMV化したりは思春期の頃からですのでw
 
まぁそんなことよりこの悲劇がどのようなボタンの掛け違えで起きたのか・・
 
浪費家の女とその生活に行き詰まった警官による死を望んだ虚偽が総ての元凶?
 
息子と最期の面会になるかも知れない帰路を阻んだ演出家?解雇を告げた工場?
 
まして母親であることを忘れて空想に耽った盲目のダンサーとも思えないし・・
 
そこで自分にハッとしちゃうんですよね、
 
なんで悪者を探しているんだろうって。
(ヒールなんていないのさ)
 
事件みたいな事故だったような気がしてなりませんえーん
 
この作品には極刑に値するような登場人物なんて誰1人いなかったんですよー
 
そればかりか、いつもどこかで他者に責任を求めてしまう浅ましい自分に気づく汗
 
でもエルマはそうじゃなかった、
 
子供の光ある世界も警官との約束も守ったよね桜
(そして1人の孤独な男へ愛も与えた)
 
周囲の身近な人たちの立場に立って自分の命を削る者って不器用なのかな?
 
お人好し?おめでたい?愚かですか?自己満足?ええかっこしいのかな?
 
どれも違う気がするよ〜
 
衝撃のラストに響く彼女の透明な歌声がそれを物語っている流れ星
 
ボクもそうですが読者のみなさんもきっと、
 
自らと引き替えてまで守りたいものを大なり小なり秘めていると思いますが、
 
目隠しを取れば真実が見えるかも♪
 
 
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