20190701 「100-1の答えは?」というお話です。
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質問です。100-1の答えは?
ビジネスの世界では正解は99ではありません。0です。
ビジネスの基本は相手から信用を得て信頼関係を構築することです。信頼がなければビジネスの土台にも上がれません。
信用がつき始めたのは、当たり前のことを当たり前にし続けた結果、徐々に蓄積されていったからです。まるで貯金のようです。
そうです。信用は貯金と同じ仕組みです。
あなたは銀行に口座を持っていますよね。
給料が入ると残高が増え、自動引き落としや引き出しで残高が減ります。
信用もまったく一緒です。
信用は当たり前のことを当たり前のようにやり続けることで、徐々に信用の残高が増えます。
そして一定額になるとまるで利子のように周りからの目が変わり、できる仕事の範囲や任せられることが増えてくるのです。
こちらから「やらせてください」と言わなくても「やってくれないか」と依頼されることが増えてきます。
信用を積み重ねていくことはすぐにはできません。ゆっくり、ゆっくりと築き上げるのです。
これはあなたにとってお金以上に大事な財産ではないでしょうか。
しかし、ゆっくりと築き上げた信用は、一瞬にして崩壊してしまう恐ろしさがあります。これが冒頭に申し上げた100-1=0の基本です。
いえ、ひょっとすると答えは0ではなく、マイナスになるかもしれません。
銀行残高は借り入れない限りマイナスにはなりませんが、信用残高はマイナスになります。
マイナスをプラスに転じるのは、ゼロからプラスの倍以上の努力が必要になります。
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一生使える「仕事の基本」
鳥原隆志 著
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渋沢栄一さんの言葉に、次のようなものがあります。
「事業には信用が第一である。
世間の信用を得るには、世間を信用することだ。
個人も同じである。
自分が相手を疑いながら、自分を信用せよとは虫のいい話だ。
信用は実に資本であって商売繁盛の根底である」
【“信用”が資本で、商売繁盛の根底】
【信用していない人は、信用されない人】
まず先に自分から信じて、相手を儲けさせる。
ここでいう「儲けさせる」は、お金だけじゃなくて気分とか満足度とかも含むでしょう。
誰かを儲けさせている人が、自ずと儲けている気がします。
逆に、自分の取り分とか、自分の利益ばかりを求めた人は、あまり儲けていない気がします。
ゴールドラッシュの時に、金を掘りに行った多くの人たちは、あまり儲けられなかったそうです。
我が我がの精神です。
しかし、金を掘りに行く人たちに、作業服や掘る道具など、その人たちの為に仕事をした人たちは、大金持ちになったといいます。
儲けさせてあげようとした人たちです。
不思議です。
自分が儲けようとしたら儲からなくて、人を儲けさせようとすると儲かっちゃう。
この法則は、今も昔も西も東も変わらず通ずる普遍的な法則なのでしょう。
飲食店だったら、値段よりもお得と感じたら「儲けた!」って思いますし、それは高いお店でも、安いお店でも、その値段を上回る何
かがあれば、お客さんにとっては儲けです。
あくまでも、お客さんが「儲けた!」って思っていないと自己満足になってしまいます。
もちろん、人を儲けさせるには、自分を磨かなければなりません。
どんなに安くても、誰も喜ばない料理を出していたのでは相手が「儲けた」と思いません。
与えること、そして、与えられるものを持つこと。
そうやって信用を積み重ねていった人が、結果的に儲かっていくのでしょうね。
喜多川泰さんの最新刊「運転者」も似た話でした。
信用の貯金をしていきたいものです。