ゴールデンウィークを、最近では珍しく1週間ほど蓼科で過ごしてきました。ただ蓼科からはあまり遠くへは出かけずに、山小屋に籠り、本を読み、時に近場の温泉に浸かってきました。5月1日に到着した日に、茅野市街は桜が満開のところもありましたが、標高1300mほどの山小屋付近まで昇ってくると、漸く若葉が芽吹きだしたところで、桜はまだ蕾で、そこには、”春まだ浅い信濃路”がありました。


 蓼科に温泉は、例えば奥蓼科温泉郷を初めとして数々ありますが、「河童の湯」はガイドブックにもあまり登場しない温泉で、かと言って所謂秘湯ではなく、田舎の共同浴場的雰囲気の温泉です。茅野市鹿山は湯川地区にある温泉で、その区の財産でもあり、訪れる人も観光客よりは地元の人が多い温泉です。我が山小屋から近いこと、入場料が400円とお安いこと、露天風呂が広々としていて、温度が41度位で長時間入浴が可能なこと、朝6時から営業を開始しているなどの理由から、お好みの温泉の一つで、度々訪れてきました。


 泉質はアルカリ性単純泉・無色透明で、内風呂は湯船の底からお湯が大量に噴出す仕組みとなっていて、露天風呂は数年前改築され、よく陽の差し込む気持ちよい造りとなっています。今回ここを訪れたのは、この温泉近くの湯川沿いに植えられている枝垂れ桜が、ひょっとして見頃を迎えているのではないかとの期待感からでした。





 この日は朝8時頃、家人と二人湯川までやってくると、期待通り桜は満開寸前でした。初めてこの地を訪れたのは植えたばかりの時で、背丈が低い桜木でしたが、あれから10数年、見事な枝垂れ桜に成長しています。