こんにちは!!

鍼灸師・アスレティックトレーナーのまっちゃんです。

 

全豪オープンにサッカーアジアカップとスポーツ観戦好きには忙しい日々が続いていますね(笑)

全豪オープンでは錦織選手と大阪選手が共にベスト8へと進み、サッカー日本代表もベスト8へと進みました。

そんな中でテニスのアンディー・マレー選手が引退するという事を聞きびっくりしています。

ビッグ4と言われた一角が引退とは…

 

そのマレー選手が引退した理由としては、怪我であるとされています。

記事によっては腰痛とか臀部痛と書いているものもありますが、海外記事の内容や既往歴から考えると股関節痛であると思われます。

 

そこで今回は、股関節痛の中でも近年難治性股関節痛の原因として注目されているFAIについて書いていこうと思います。

 

○FAIって?

femoroacetabular impingement(大腿骨寛骨臼インピンジメント)の略で、2003年に体系化された比較的新しい股関節疾患となります。

寛骨臼や大腿骨の骨性変形により、股関節運動中に繰り返しインピンジメント(衝突)が起こる事で関節唇や軟骨の損傷が起きる病態です。

 

○分類

その分類としては3種類あり、寛骨臼に問題があるPincer Type、大腿骨に問題があるCam Type、その二つの変形が混合して起こっているMix Typeに分類されます。

 

Pincer Type

股関節の臼蓋側には関節唇と言う衝撃緩衝組織があり、その周りには被膜が取り囲んでおり、この被膜が過剰になってしまった状態をPincer変形と言われます。

この過剰被膜により大腿骨頭とのインピンジメントが起こり、インピンジメント部位で関節唇が挟み込まれる事で痛みを伴います。

 

Cam Type

大腿骨の近位は臼蓋部にはまり込みやすいように、一時的に細くなる頸部と丸みを帯びた頭部が存在します。

特に頸部が平坦化したり、または膨隆化し細さが無くなる事で臼蓋部とのインピンジメントが生じることで、関節唇などに損傷が起きる事で痛みを伴います。

 

 

Mix Type

上記のインピンジメントの原因となる構造的問題がどちらも有している状態。

 

 

○診察所見

確定診断には変形の有無が必要であるため、X線やMRIによる画像所見が必要になりますので、今回は「FAIではないか?」と疑うための所見を書いていきます。

FAIを疑う所見としては3つ

  • 前方インピンジメントテスト

  • 股関節屈曲内旋角度の健側との差

  • Patrickテスト

 

・前方インピンジメントテスト

股関節を屈曲・内旋位を行い、その際に痛みが出れば陽性とする。

股関節を屈曲・内旋する事で、大腿骨と臼蓋との間でインピンジメントを誘発するテストですね。

行う際は骨盤の後傾や腰椎の屈曲が起こっていないかに注意しましょう。

後傾や屈曲が起きると、大腿骨頭と寛骨臼との関節面がずれるため、正確な診断が難しくなります。

また、グロインペインなどでも陽性が出るため注意が必要です。

 

・股関節屈曲内旋角度の健側との差

インピンジメントが起きるだけでは痛みは誘発されませんが、骨性の変形によりインピンジメントが生じていると健側と比べて関節可動域の低下が見られます。

しかし、健側と比較して関節可動域が低いからといってFAIだと決めつけるのは賛同できません。

それは、靭帯や関節包、筋の拘縮・短縮がある場合においても関節可動域の低下は見られるためです。

そこで判断基準とするのは、end feel です。

可動最終域で「コツッ」という感じがあれば、骨性のインピンジメントが起こっている可能性があると考えても良いでしょう。

 

 

・Patrickテスト

股関節の屈曲・外転・外旋位を行った際に痛みが伴うかを見る代表的な股関節テストですね。

前方インピンジメントテストとは違い、こちらは股関節後方でのインピンジメントを診るテストとして有用です。

こちらも、様々な股関節疾患で利用されるテストであるため、このテストだけでは判断しないようにしましょう。

このテストにおいても、end feel を確認することが重要になりますね。

 

 

 

今回は以上になります。

股関節痛に悩んでいる方はFAIも疑ってみて医師などに話してみるのもいいかもしれませんね。

 

錦織選手、大阪選手、サッカー日本代表の活躍を祈って終わりたいと思います。

がんばれー!!