月城かなと率いる月組も、これで多分見納めです。

25日18時公演。

大千秋楽は、当選してれば夫婦で
久しぶりのライブ・ビューイングで
ラストを見届ける予定ではありますが
やはり、舞台から伝わる生の音波というか
波動というか、感じるものは尊く
れいこさんを直に拝むのは最後と思うと寂しい。

芝居の正塚作品で思ったこと。
正塚先生の作品って、芝居力を磨く上での
学びの場なんだろうな、と。
脚本とか話の熟れ方ではなく、
台詞回しが独特で、
あぁ、とか、うん、とか、舞台の上だと
わざとらしく聞こえる言葉とかを
如何に自然に見せるか、なのかも。

芝居そのものに対する評価は最初から
そう変わらないけれど、コメディの間を含め
日々自然に、滑らかに、阿吽の呼吸で
月城かなとを始めとする芝居の月組が
芝居を研鑽していく様が面白い。
そういえば、この時代サイレンってあったんですかね?

そんな中、やっぱり目を引くのは
彩みちると彩海せらの雪組出身姉弟。
正直、高翔みず希と彩みちるのやりとりは
彩みちるのパワーに高翔さんが
押されがちに見える。

芝居の月組といえど、本当の意味で
天性の芝居力のある生徒はそれほど多くはなく
そんな中にあって、この二人の芝居力は本物だ。
技巧派だけではなく、
さらに芝居の月組を全面に押し出すには
要所要所に本物が必要なんじゃないかな。

礼華はるの歌声が好きです。
特に高音の綺麗で安定した伸びがあり
聞いていて心地がよい。


今回のショーが素晴らしいと思うのは
ひとつの場面は長いけれど
楽曲が転調することで、飽きがこず、
今回の編曲は神がかってると思う。

アバンギャルドの場面は、ずっと既視感を
感じていて、でも何かわからなかったけど
ようやく思いついた。
やったことないけど、任天堂のゲーム
スプラトゥーンよ。
コロナ禍でSwitchであつ森とか、スマホで
ポケ森やってたけど、よくコラボしてて
なんだか色感とか娘役たちの出で立ちとか
似てると思うの。

毎度思う、れいこさん月に帰る場面。
あれ、何度見ても凄いと思う。
れいこさん以外、みんな同じ髪型ということに
今更気づく。遅っ!
ようは月城かなとに掛けた
荒城の月とかぐや姫のコラボ。。
れいこさんは、姫じゃないけど姫が似合うし
歴代トップの中でも、トップ娘役含めても
れいこさん=かぐや姫
ほど、説得力を持つ人はいないんじゃないかな。

で、ここでも思う。
宝塚は5組あれど、月ほどストーリー性を持つ
組の象徴はないんじゃないか?ということ。
だから芝居の月組なのか。。と

私が好きな漫画家先生に清水玲子先生がいます。
絵柄が美しく、月モチーフの漫画多いです。 
「月の子」とか「輝夜姫」とか。
内容は、割と複雑なので舞台化は難しいと
思いますけど、
彩海せらを観てると「月の子」の
ジミーに似てるな、といつも思う。

風間柚乃のロケット前の無双状態。
ゆのくんは、なんというか
記念の象徴というか
アニバーサリーアイコンに見える。

れいこさん、最後の黒燕尾が美しく
これぞ宝塚よな、って目頭熱くなる。
難しいフリとかじゃないと思うのですが
シンプルな黒燕尾に身を包んだ 
男役だけの群舞の空間ってサンクチュアリ。
遠くから見つめることしかできない
宝塚にしかない唯一無二の
誰が何を言おうと素晴らしき伝統だと思う。

今日は流石に泣かなかったマイ・ベスト・フレンド。
でも、マイ・ベスト・フレンドを聴きながら
何故か頭に流れる「仰げば尊し」。
そして、雪から月にやってきたれいこさんは
なんだか「蛍雪の功」って感じがして
月の光なんだけど、蛍のぼぅっと照らす
淡い光のような人だったと感じた。

デュエダンはね、
海ちゃんの前髪が似合ってないと私は思うけど
ディズニー・プリンセスなのかな。

月組の公演は、
温かさに包まれた優しい時間でした。