メガ・ファンタジー

『JAGUAR BEAT』の感想から。

私は、ロック好きだし、

先日観た薔薇サムもそうだけど、

ガンガン行くタイプのノリは嫌いじゃない。

暁千星の活躍甚だしく、見どころも満載です。


が、しかし

初見の感想は辛口批評です。


要所要所にヨシマサ氏の

悪癖が出てるなぁと私的には思いました。


まずは、ヨシマサ氏といえば人物映像の

多様ですが、幕開きと終わりに

そんな場面があります。

映像技術の進歩が目覚ましい昨今において

この登場人物の映像化が古臭くてダサい。


望海風斗の卒業前のコンサートでも、

シティハンターでも思ったけど、

ヨシマサ氏はいつまでバブル時代を

引きずるのだろう?

今回もテイストは弱めだけど、

そんな感じの場面があって、

他の人ならともかく、サイトーショーだと

またか、と。夢は醒めないのか?


今回、コンセプトショーということで

公演始まる前に、

『BLUE MOON BLUE』を再視聴しました。

似たようになるのかな、と思って。

そしたら、プログラムのヨシマサ氏の

挨拶の中に、22年前の公演のことが書いてある。

当時の月組と今の星組の状況が似てるから

云々ということらしいが、

私は、彼のメッセージを読んで、

22年前から現在までの道程は知りませんが

きっと、斬新で話題であったろう

当時のショー再びのような感じで

過去に囚われているようにしか感じなかった。


そんな、ショーの中身ですが、

渾身の作であろうことは、

なんとなくわかります。

いろいろ詰め込まれてますから。


ストーリー仕立てということですが

ストーリーは追わない方が賢明です。

歌劇座談会読むのも挫折、

プログラム読んでもあまり理解できず。

最後は、片羽根もがれたクリスタルバードが

どうなったのかすら、ようわからんです。


衣装がド派手です。

雪組の『Fire Fever』も派手でしたが、

それに輪をかけてギンギンギラギラです。

派手すぎて、途中誰がトップか

わからなくなる時があって、

そんな中、さらに一段と派手な礼真琴が

登場して、紅白の小林幸子もビックリ。


星組は確かにギラギラ系だけどさ、

限度ってもんがあって、

ほどほどにしておかないと。

個人的には、キラキラ時々ギラギラ

くらいが丁度よいと思ってる。


衣装が派手だと、その衣装に

負けないように、メイクも派手になって

結果、生徒さんの見分けがつけにくかった。

でも極美慎の男味が増してたなぁ。


メガなファンタジーというだけあって、

ジャガー君臨するジャングルの話かと思えば、

マジマジマジックという、ダジャレ連発の

ファンタジー要素が詰め込まれてきて

ロックなのか、ファンシーなのか

コンセプトの統一性もありません。

吟遊詩人と称されるお三方が、

まじかるタルるートくんみたいだし、

フィナーレのトップコンビの帽子は魔女?


このショーの一番微妙と思ったのは

ずっと、切れ間なく舞台が開いているせいか

宝塚のショーとしての、見せ場の

溜めがないこと。

だいたい宝塚のショーって、わかりやすく 

トップが華々しく登場してきました!

はい拍手〜!

二番手登場しました!はい拍手!

歌いました!踊りました!

と観客がここぞというタイミングで

わかりやすい拍手のタイミングが

あると思うのですが、


この溜めというか切れ間がないために、

トップだろうが

二番手だろうが、スターだろうが

なんとなく流れていくような場面が多くて

結果前後の場面や他に埋もれてしまって、

見せ場というか拍手のタイミングが

おかしくなる場面も多くて、

フラストレーションがたまります。


とりあえず観客は、どんな場面でも

拍手するから、それもなんか気持ち悪い。

このへんは、そのうち統制されてくるとは

思いますが。


またいつの間にか、礼真琴が舞台にいたり

ありちゃんが、礼真琴を喰うと思ったのも

とある場面で、立ち位置が

明らかにおかしい場面あって、

この場面はいったい誰がメインなの?

という疑問も。


ノリにノッたロックで攻めるのは

悪くないけど、そこは宝塚のショーなので

ただ、ロックで繋げるのではなく、

ちゃんと場面の区切りとか

メリハリをつけて、

気持ちのいい拍手をさせてほしいです。

観客一体となっての拍手って、大事です。



文句ひとしきりですが、

見どころはたくさん、あります。


一連通して、どんな衣装でも

激可愛い、舞空瞳。

何着てもお人形さんのように愛くるしい。

ある意味清涼剤です。


耳福な礼真琴の相変わらずの歌声。

でも、イエモンの曲は場面に合ってなかった。

なんでこの楽曲チョイスされたんだろ。

アルバムタイトルにジャガーとあるから?


礼真琴と暁千星のダンス競演、

これが観たかったよ。うふ。

紅ゆずる時代の二番手のときから

ショーでの存在感が抜群だった礼真琴に

並ぶ存在がいることが斬新✨✨✨


暁千星演じる猛獣使いと

怪しげな雌豹の天華えまの98期コンビ、


暁千星と極美慎の危ない場面は最高だし、

ここ必見。美の女神アフロディーテが負けてます。


男役群舞は星組ぽくて好き。


舞空瞳がロックを歌う中、

礼真琴、瀬央ゆりあ、暁千星の3人の

ダンスもめちゃカッコイイです。


舞空瞳と暁千星の場面も多くて、

二人のカップリングも良いけど、

礼真琴と舞空瞳のトップコンビは、

私的に萌えるので、このまま二人で

添い遂げ希望。


確かに近年にはないショーには

間違いないけれど、王道なレビューが

好みの人は眉をひそめそうな感じです。


今の星組は礼真琴を始めとして、

皆んな歌えるから体裁保てるけど、

歌えない人が多かったら事故りそう。


このショーが好きなひとはごめんなさい。

お芝居が物悲しいので、

憂さを忘れるには丁度よいのかもです。


この星組の布陣で

フツー?のショーが観たいです。

中村先生また登板してくれないかしら。

野口くんでもいいよ。