明治維新による日本社会の西洋化によって、もっとも大きく変わったことは、国に軍隊と議会ができたことである。
つまり、それまでは幕府という将軍を頂点とした武士の統治であった社会から、国民の代表を集めた議会というものによる統治に変わった。
ここで、日本で初めて政治家という人々が誕生した。
そして、武士という武力集団から軍隊という武力集団に変わった。
軍人という人は武士という出自に関係なく、誰でも軍人になることができた。
これが、日本社会のもっとも大きな変化である。
つまり、志と能力があれば、誰でも軍人や政治家になることができる社会になったということである。
そして、これまでまったく光が当たることのなかった人々に、光が当たるような社会に変化したともいえる。
光が当たる人々が変化するということは、闇の人間が引き受ける影も変化していくということである。
つまり、この変化に闇社会がうまく対応できなかったことも、現代社会がこうなってしまった一因である。
現代は社会はめまぐるしく変化し、時代によって光が当たる場所や人々がめまぐるしく変化している。
そして、闇社会はその変化に対応しながら、光にできる影に対応していかなくてはいけない。
しかしながら、光が当たる人々に対する理解が不十分であった場合、そこにできる影の存在の理解もままならず、十分に対応ができない。
つまり、明治維新の後に誕生した、特に軍に所属する軍人という人々に対する理解が、まったく不十分であったといえる。