本を読むのが苦手なので、漫画を読む。


漫画を読んでいろんな知識を得たり、いろんな世界を知ろうとする。




漫画は本を読むよりも、そういったことを取得するのに便利なツールである。



しかし、そうだからといってずっとそうでいいのか。


そうだから、もっといろんな漫画を世に送り出し、本を読むかわりにそれを読めばいいような世の中にしていくのか。



本を読むといろんな知識も増え、ボキャブラリーも増える。


そして、いつも話す言葉が小難しくなったり、うんちくめいたことばかり語るようになったりする。



そういう人はなんだか嫌がられるので、本ばっかり読んでいる人もなんだか嫌だと思われたりする。




本を読む人は賢い人で、賢いことを仕事にする人だと思われる。


そういう人が本を読むものであると思われている。




であってそうでない人は、知りたいことを漫画で知ったり、テレビやネットで知ろうとする。




なにが言いたいのかというと、つまり、世界的にみて漫画大国である日本において、現在、漫画の扱いに困っているということが言いたいんである。



このまま本のかわりに漫画を読めばいいという方向性でもって、ますます漫画文化を発展させていくのがいいのか、それともやはり漫画は本のかわりにはならないから、漫画ではなく本を読みましょうという方向に持っていくべきなのか、それとも漫画という文化をもっと違うものに発展させていくほうがいいのか。



そういうことにいま、漫画の世界は悩んでいる。



子供の頃に本を読む習慣が身についている人は、大人になっても本を読み続けるだろうし、子供の頃に漫画しか読まなかった人は、大人になっても漫画しか読まない。



つまり、子供の教育分野において、漫画という存在をどのように位置づけて子供に与えるべきなのか、という問題である。



それによって、子供が大人になってからも漫画を自分の人生の中でどういう存在のものとして扱っていくのかが定まっていくんであろうと思われる。



子供のときに漫画を禁止されて育った人は、その反動で大人になってからむさぼるように漫画ばかり読みまくったりする。




あまり難しく考えることなく、漫画もお菓子やおもちゃと同じ扱いで、適度に適切に与えれば、それは子供のいろいろを豊かに育てていく道具になると思うんであるけれど、なぜか漫画の世界はなにか路頭に迷っているんである。