高齢化が著しい過疎地域に暮らす高齢者の生活を支援する。


こういった地域に暮らす高齢者は、子供は都市部に移住していて、持ち家にひとりもしくは夫婦で住んでいることが多い。



歳をとるにつれて、だんだんと身の回りの用事ができにくくなり、生活を維持していくことが困難になる。


掃除、洗濯や買出しなど、日常生活のいろいろをこなしていくことが難しくなる。




こういった高齢者の日常生活を支援していくための活動が地域の中で必要である。



それは、買出しを代行するとか、年金等の手続きを代行するとか、そういったことをサービスとしてやっている団体も最近は多い。


しかし、そういったことよりもさらに生活者に寄り添った、いわば家族がしてくれるようなサポートをおこなうことが望まれている。



たとえば、買出しを代行するのではなく、高齢者と一緒に買い物に行き、高齢者が自分で買い物をするのをサポートするなど。


つまり、高齢者が自立した生活を送れるようなサポートである。


必要な生活用品を買ってきてあげるのではなく、自分で購入できるようにたとえばカタログ通販やネット通販の登録手続きをしてあげる、など。



自分の親や祖父母にしてあげるような生活のサポートを地域の高齢者に対しておこなう。




こういった活動をボランティアもしくはNPOの活動として地域の中でおこなっていく。




高齢者の生活支援でもっとも重要なことは、健康で自立した高齢期を持続させることである。


つまり、寝たきりや要介護状態にならないように、少しでも長く健康で自分のことは自分でできる時期を引き延ばすことである。



介護予防のための教室などが地域で開講しているところも多く、こういったことも要介護状態にならないようにするために大切なことであるが、やはり、日常生活が自立しているということがもっとも大事なことである。



つまり、その日食べるものや着るものなどを自分で考えたり、必要な生活用品を自分で選んで購入したり、こういったことである。


こういったことをすべて他人がやってしまうと、高齢者はたちまち老いが増していく。


自立をサポートするということと、生活のお世話をするということは、似ているようでまったく異なることである。



これは高齢者に限らず、障害者や若年者に対しても同様である。


障害があって生活が困難である人、引きこもり等で外に出られない人。


こういった人たちに対しても、生活そのもののお世話をするんではなく、彼らが自立した生活をおこなえるようにサポートすることが重要である。





この場合、健常な大人が自立した生活をおこなう状態と、こういった人々がおこなう自立というのはまったく別のものであるということをよく把握しておかなくてはいけない。



自分ができることを相手にもやらせようとするなどということは、彼らの生活に寄り添っているとはいえない。



あくまでも相手の生活に寄り添って、その中でどの部分が自立できるようにすればよいのかをひとりひとりに対して考えていく必要がある。



家族がおこなうようなサポートとはそういうことである。