自分の息子には、想像もできないような重い使命があった。



それをわからず、ひたすらにしがみつき、もはや息子にしがみつくことだけが、生きている意味になった。




不幸になろうが、自分を失おうが、おかしないきものになろうが、息子にしがみつき続ける。



こうなってしまった家族は、もはや、息子にとっては自分の作り出した汚物である。





自覚はなかった。



が、家族をそんな風にしてしまったのは、息子である自分である。





そうはいっても、家族が自分からはなれずに自分にくっついていたことで、救われていたことはたくさんあった。






最悪のあり方ではあるけれど、これもひとつの家族のあり方である。