寄生虫を抹殺せずに、寄生されるがままでいる。
結婚してそういう体験を始めてしたんだろうと思うけれど、このことによって、寄生虫の気持ちも少しはわかっただろう。
が、何度考えても、この人たちを救うということは、抹殺することであるとしか思えなかった。
そして、今もそう思う。
なぜなら、何度人の道に引き込もうと思っても、無理だったからである。
けものみちしかもう歩けない。
けれど、寄生虫を野放しにし、誰かに寄生させ、また様々な被害をばらまいたりすることも、政治戦略の一つであるということもわかった。
そうやって、いろんなバランスをとっているんだろうということも、なんとなく理解できた。
できるなら、一日も早く、自分に寄生させている寄生虫を抹殺してほしい。もしくは、自分に抹殺させてほしいと思ったりする。
寄生虫の気持ち。
それはこんな感じである。
夜もなく、朝もなく、ただ光のあるところ、水のあるところに、集まっていく。
そして、自分に危害を加えるものは、最大の敵であり、それとは断固として戦わなくてはいけない。
そのくせ、自分が与えている危害であるとか、利用されていることであるとか、そういうことはまったくわからない。
寄生虫が感知できるのは、わずかな光とわずかな水と、そしてささやかな自分に対する敵意である。