たとえば、周りとの接触を断絶させ、守っているつもりである断絶愛。
この性癖を持つようになった理由は何か?
まずは、自分が親に守ってもらえなかったことに対する願望の表れである。
親に守ってもらえなかったために、他者から酷く傷つけられた。
このことから、他者から自分が守ってもらいたいという強い願望が、相手にそういうことをするようになる。
そして、もう一つは、やはり独占欲の表れである。
自分一人のものにしたい。他者と関わらせたくない。これが、まあ、根本かもしれない。
やはり、万人に受け入れがたい性癖を持っている人というのは、それを受け入れてくれる人を独占したい。もしくは自分がその相手に独占されたい。という願望が強いんである。
なので、愛の裏切りに関して、敏感になる。
そういう自分の独占的な愛に反することが起これば、すぐさま裏切られたと感じる。
つまり、相手にとっては、激重の愛である。
こういう重い愛が好きな人。もしくは、こういう重い愛に慣れている人もいるとは思うけど、それも、すべて度量である。
チープでライトな愛しか受け入れられない人は、みんなが一般的にいいと思えるような人を選んだほうがいい。
間違っても、俺がこの愛を引き受けてやる、とか、私が一生付き合ってあげる、とか思ったりしないように。
中途半端に手を出すと、両方が不幸になる。
両方が不幸になるだけならまだいいけれど、それがどんどん周りを巻き込んで、周囲全体が不幸に陥っていく。
昨今の日本の若者は、愛について語ることもできないらしい。
政治や経済について語ることはできなくても、愛についてぐらいは誰でも語れるらしい。
が、自分らは、愛について語ることが、もっとも不可能なことだと思っていた。
そして、愛について語ることは、やっぱりもっとも高尚であると、今も思う。
それは、愛の理解度というのは、その人の度量を率直に示すからである。