すべてに見捨てられた一家の現実。


やっとこれを伝えることができた。わかってもらえたかどうかは別にして。



お嬢様の本籍のある地は、明治維新によって、ある種の事情を抱えた土地である。


そして、また、被差別部落の集積するところでもある。



彼女が京都に活動基盤があるのも、京都も同じく被差別部落の多く散らばる土地だからである。


西日本にはこの部落が多い。



人々から差別を受ける対象となる人は、在日朝鮮人とか中国残留孤児とかまあいろいろありますが、日本が根深く抱えているのは、この部落の問題である。



彼女の人生は、ずっとこの部落民とともにある。


そして、ヤクザとして闇に生きる人々は、たいていがこの部落民である。



別に何をするわけでもない。ただ、一緒に生きるだけであるが。


周囲に虐げられ苦しむ部落民とともに生きる。



彼女の人生のベースはここにある。



旦那も自分も、ヤクザな世界にいるが、血はそういうものではない。


が、ずっと彼女の周りにいた男たちは、筋金入りのそういう男である。




しかし、これまで身内のいろいろな問題があり、身内がとかく関わってくるので、これらの人々と深い親交をすることができなかった。


これは、前にも書いたように、在日朝鮮人や中国人などもそうである。




身内の問題が解決するのを、みんなずっと待ち続けていたんである。




こんな風に書くと、彼女の人生は相当悲惨な犠牲をともなうように感じるかもしれないけれど、そうはいってもみんな相当にいい男なんである。



未熟なガキンチョの自分らと一緒にいることは、彼女にとってほんとうに子育てなんだろう。と思ってしまうぐらい、周りにいる男は成熟した大人ばかりである。


そして、そういう男たちに囲まれながら、ずっと雲の上の人だった。



そして、そういう部落民の生活のいろいろを面倒みるために、偉いオジサンとかにいろいろ動いてもらったりしてきたんである。




つまり、これから、政治的事情を抱えた部落民の生活をなんとかしようとしている。


地元民をそこから解放し、日本の政治を一歩前進させたい。