
アルメニア人の大量虐殺という20世紀初めのジェノサイドを、アルメニアの田舎から医者になるべくコンスタンチノープルに出てきた青年とアルメニア人ながらパリ帰りの華やかな美女、それからアメリカ人ジャーナリストの三角関係を軸にし、虐殺が起きている国に対して外部の介入による救出や抑制という点が自然に浮き上がってきて、救出脱出の話にすることである程度カタルシスのある作りに仕立てているあたり、同じテリー・ジョージ監督の「ホテル・ルワンダ」とつながってくる。
フランスやアメリカといった人権を(一応)遵守する国としないオスマン帝国という図式がはっきりしていて、実際そうだったにせよ場合によってはそうした「先進国」が大量虐殺や弾圧を行うこともあると若干の留保を頭に置きながら見た。
毎度のことなのだけれど、もっぱらオスマン帝国を舞台にしているのにセリフが英語というのは興を削ぐ。
オスカー・アイザック扮する青年は故郷に残してきた婚約者の持参金をもとに大学に通っているわけで、この婚約者と美女との三角関係も発展するのかと思ったら途中でばっさり断ち切られてしまうのはまったく自分の意思を持つことを許されない状態の女性がそのままにされているわけで、どうも物足りない。
死屍累々の図、というのは本物の死体写真をネットで(望まなくても)見てしまう状況だと幸か不幸かつくりものだとわかる。
(☆☆☆★★)
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