皆さんの住むところではどんな星空が見えますか?
腰が抜けそうなほどの満天の星もあれば、代表的な星座や星なら見えるところ、残念ながらほとんどみえないところもあるかと思います。また、広い敷地があるような羨ましい環境や、大きな窓、小さな窓、ビルの合間からなど様々な場所から見ている方もいらっしゃるかもしれませんね。
全天には現在88個の星座が制定されています。そしてかなり条件の良い場所では肉眼で6等星くらいまで見ることができます。都会や街明りの多い場所からは2等星くらいまでしか見ることができません。そして肉眼で見ることのできる1等星から6等星までの恒星は約3000個あり、そのうち一番明るく見られる1等星は21個。思っていたよりも少ない数ですよね。これからこのブログで21個の一等星について明るい順に一つずつご紹介していきます。前回の地球から100光年以内の恒星をご紹介したメモリアルイヤースターとも重なる星もありますが、それはほんの少しで一等星のほとんどは地球から遥か遠く離れていながらとても明るい光を放っている星です。空の条件があまりよくない都会や街明りの多い場所からも比較的見つけることができる星の道しるべのような一等星達を皆さんも四季の夜空に探してみてくださいね。
星の明るさは光度、または等級と呼ばれ私たちが普段使っている1等星2等星といった格付けは地球から見える見かけの明るさ「実視等級」と言われるものです。ですから地球から近い星や大きな星ほど明るく見えるということになります。ということは、小さくても近い星のほうが明るく見えたり、同じくらいの明るさの星でも遠くにあると暗くなってしまいますね。そのため「実視等級」に対し「絶対等級」という定義もあり、「絶対等級」とは実際の明るさを比較するために恒星が地球からある一定の距離にあると仮定したときの明るさをいいます。
ここでは目に見える見かけの明るさでランクづけされた実視等級に基づいた1等星をご紹介します。等級の数字がひとつ変わるごとに明るさは約2.5倍異なります。1等星は肉眼で見えることのできる限界とされる6等星の約100倍明るいということになります。
シリウス (おおいぬ座) -1.5等級
夜空の星の中で一番明るく輝く星の筆頭がおおいぬ座のシリウスです。おそらくほとんどの人がその名前を知っている恒星ではないでしょうか。実視等級1.4以下(数字が小さくなればなるほど明るい)の星を1等星と呼びますが、シリウスは0以下のマイナス1.5等級と断トツの明るさをほこっています。おおいぬ座の口元の星がシリウスです。その位置を把握していない方でも、冬の代表星座のオリオン座をご存知の方は多いかと思います。オリオン座の大きな四角の四つ星の左下をたどると見逃しようのない明るい星が見つかればそれがシリウスです。シリウスとはギリシャ語で「焼き焦がすもの」を意味し、その光の強さを物語っています。どんな都会にいても夜空が晴れてさえいれば必ず見つけることのできる星です。街明りの多いところに住んでいる方もここでは星が見えないから…と諦めずにぜひ見つけてくださいね。
ちなみに…地球から見える一番明るい恒星は実は夜には見えません。どういうことかといいますと、近くて明るいので地球からその星が見える位置に来ると夜ではなく昼になるからです。もうおわかりですね、私たちの中心、太陽が地球から見える一番明るい星なのです。太陽の実視等級はマイナス27等級。破格の明るさですよね。肉眼で見てはいけないのがよくわかります。そして、恒星ではありませんが月はマイナス13等級(満月時)、金星はマイナス5等級(一番明るく見えるとき)です。