知里幸恵さんは、明治39年に北海道旭川市にほど近い近文に生まれた聡明で誇り高いアイヌの娘さんでした。父方も母方も、アイヌの豪族であり、大酋長の家系でした。また、敬虔なクリスチャンとして、その信仰心により、早くからアイヌ人特有の宇宙観を純化し、自らの生き様としました。聡明ゆえの夭折でしょうか、僅か20歳の若さで、お空の星になってしまいました。このアイヌの伝承物語である「アイヌ神謡集」を唯一、生きた証しとして旅立つたのでした。美しい詩篇を大学ノートに、几帳面に言葉の意味やその文化的背景や、もちろん発音までローマ字でびっしりと書き残したのです。私の一番好きな詩篇は、梟の神様の自ら歌った謡「銀の滴降る降るまわりに、金の滴降る降るまわりに、」があります。彼女がこのアイヌ神謡集の序に書いた、出だしだけ、今日は紹介して、これからのブログの序とします。その昔この広い北海道は、私たちの祖先の自由の天地でありました。天真爛漫な稚児の様に、美しい大自然に抱擁されてのんびりと楽しく生活していた彼等は、真に自然の寵児、なんていう幸福な人たちであったでしょう…。(つづく)by 愛 龍悟 それでは、またお会いしましょう!