>■大事な概念

>a) 生み出せる生産力 = 生産人口 × (生産効率 + 付加価値(技術力))

>b) 需要 = 消費者の資金力 × 製品魅力(価格・品質) (基本的に政府・中銀は直接的に関係ない)

>

>民間に資金がある限り、経済成長 = min(a,b)ですね?

>↑はい、ではこれを式にしてみましょう。

>

>min(民間資金流動性,min(a,b))=経済成長

>です

 

「その6」で上記の様に書きました。

少し訂正しますね。

 

【訂正前】経済成長=min(民間資金流動性,min(a,b))

これは、経済成長ではなく「経済のある時間軸上の断面の説明に過ぎず、しかも断面の分析自体、少々言葉足らずでしたので、修正。

 

【訂正後】①経済の断面=min(min(民間資金流動性の確保充足度%, 100%), min(a, b)) × コアコアCPI

経済成長率 = (今年度①÷前年度①)%

と再定義します。

 

ここでもう一度、三橋の言った事を振り返りましょう。

・総労働時間が減るから失業率が低くてもGDPは増えない

 

三橋はここから「だから正社員を増やし、賃金を増やすのが正解」と結論付けています。

が、しかし。

これは「労働時間↑、時給固定」の前提で、総労働時間×平均時給=GDPを計算。

つまり、三橋は「長く働け、従来の根性論で働け」と言ってるに等しい。

 

私はね。

「労働価値を増やす事で時給を上げよ、総労働時間の短縮は既に相当に実現できているので維持でよい」と言ってるんですけどねぇ…。

まあ、勿論更に休日増やして消費を促す等「効果的な休日(連休)の設定」と言うのも大きなテーマですが。

 

人間は、できるだけ楽して稼ぐできるだけ楽して働く為の努力を惜しまなければ、結果としてカネはついてくるものです。

産業革命で一気に世界が変わったのは何故でしょう。

楽して働く為の努力=生産性向上を惜しまなかったからでしょう?

 

時給上昇とは、本質的に労働価値の上昇、つまり品質・生産性の向上です。

ここを三橋は「マネタリズムで時給を上昇させ」ようとしてるんですねぇ…。バカです。

労働価値が上がらないのにカネだけ増えても、ちょっとやそっとじゃ時給はあがりませんよねぇ…。

GDPとは結局、株主・企業・労働者の努力のサマリです。

国は、その努力・活動が滞らないように、或いは努力・活動を促すように資金を提供すると言う「お手伝い」をしているに過ぎない。

 

■GDP=G+I+C+IM

このうちGとは、以前からしつこく言ってる通り

「資金流動性の確保」

「雇用の維持・創出」

を目的(と言うよりも本来的な性質・効果)の資金ですよね。

 

■もう一度、日本の労働生産性について触れる

その6でも書いたとおりですが。

日本の時間当たり労働生産性は 47.5 ドル(20位)

米国(72.0 ドル/7,169 円)の2/3程度の水準

 

私ならこれを見て「ああ、他国がそこまで労働生産性を上げられるならば、日本にはまだまだ向上余地が残ってるんだね」と思いますがねぇ…。

理想は不可能どころか、十分に実現余地があるわけです。

・労働時間固定×生産性↑=GDP↑

 

またこの場合には失業率が上昇すると思われます。

そこで「仕事を増やす為に、財政政策」すればいいんですよ。

 

Jeyさんも書いていますが、財政政策とは基本的に雇用に効くけど、時給に対して直接的に効かないんです。

 

確かに「最初は雇用に効き」「雇用が充足すると時給が上昇する」と言う現象自体は「業績見通しが明るければ」起きえます。
しかし、経営者もバカではないので「景気に一喜一憂して変化のない労働価値に対して、時給を上げる動機にはならない」のですよね。

 

経営者は「景気に応じてボーナスで還元する」が「時給を上げる動機はあくまで労働価値の向上である」

結局時給を増やすためには、労働価値をあげるための努力を官民一体でするしかない。

 

■今後のキーワードは「生産性向上」だとすれば、

繰り返しになるようですが、生産性向上の結果は

・一人当たりの労働価値の上昇

・総労働時間の短縮

です。

 

したがって、生産性が向上するほどに失業者がでてくる道理です。

総労働時間↓×労働価値固定=実質GDP↓の現象が出始めたら、ここで「総労働時間を支える為に財政出動をする」

つまり雇用の維持ですね。

この手法こそが、官民一体となって取り組むべき「G(Goverment)+I(Industry)」の効果です。

 

■安倍政権が結局成功しなかった原因

それは3本目の矢ですね。

「1,2が効いてるうちに3まで一気に済ませる」ができなかった。

 

では、何故3ができなかったのか。

それは、日本人に変わる勇気・努力が足りなかった。利権を崩せなかった。

つまり、一部の企業・労働者は「変わる事を嫌がった」です。

政府の失策として挙げられるのは「変わる事を促すための構想と予算編成がなかった」でしょうね。

 

■変わるのは簡単ではない

自ら変わるのは難しいところを、政府が支援するのが本来的な政府財政の「積極財政」のあり方です。

すなわち、財政政策とは基本的に未来の社会を想像し、それに従ったモデルに現実が近づくよう「正しい方向性に対して政策投資と言う名のインセンティブを大きく与える」

 

攻めの財政、本当の積極財政とはこれでしょう?

出来ない人に支援するのも一つの手段ですが、民間も政府も、いつの間にか「ニンジンぶら下げ、民間に奮起を促す手法」を忘れているんですね。

 

何故、こうしたやり方を忘れた思います?

「民主主義」「ポピュリズム」「政治家と言う商売」

勿論、これが最大の原因ですよね。

 

ニンジン、ぶら下げましょうよ。

日本の経済成長を願っています。