あなたの声を聴けたから良かっただなんて、
あなたからメールが届いたことめちゃくちゃ嬉しかったよなんて、
あの人と幸せに暮らしているのをきいてほっとしただなんて、
全部嘘に決まっているじゃない。

けどそんな強がりも見抜かれてしまって、
あたしは本当に小さい人間だ。






恋愛に対してのあたしの嫌な予感は見事に的中します。
けれどあなたは初めてそれを覆してくれました。
なのにあなたと築き上げてきたものが、
中途半端なところから一粒、また一粒とゆっくり音を立てずに転がり落ちていきます。
静かすぎて気付かず、なのにどこかで何となく気になってみたりするけれど、
これで良かったんだと自分に言い聞かせています。






こっちを向いて。






身体絡め合ってキスをして、
熱くなってひとつになって、
汗を流して抱き合って。
疲れたところでまた一粒転がり落ちる。

どこかで気付いても気付かないふりをして、
いつか、転がり落ちたものの多さに、築き上げてきたものの小ささに、大きなため息をする事でしょう。
それはきっと何年経っても笑い飛ばすことができず、
自分という者が分からなくなる日まで心の隅で丈夫な棘となっていることと思います。





あなたは素敵な人です。