勧奨退職の募集期限の日 |
安心材料をたんまり集めた私は、 |
応募先である 人事担当の管理職Aさんに 退職届を提出した。 |
管理職Aさんは、 前年度まで直属グループの 管理職だった人。 |
私の人間性も、仕事ぶりも 良く知っている人。 |
良い人だし、今も嫌いじゃない… でも、例の一件の対応で、 私を失望させてくれた人でもある。 |
突然の退職届に驚かれ、 別室へ移動… |
〇〇さん、何かあったんですか? |
根耳に水と言う感じで、 メンタルの相談にのるように 尋ねる優しいAさん。 |
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勿論、思う所はあるのだが、 |
私の意識は既に別の世界の住人… |
もう言うことはない。 |
いいえ、 前から考えていたことです。 |
と、ニッコニコの笑顔 かつ |
二の句を継がせない力強さで 言い切った。 |
いつもは温厚な私の 笑顔の奥の冷めた感じ… 伝わっただろうな… そういうの…毛穴から出るらしい…。 |
恐らく…別室に入って30秒も いなかった。 |
お手数をおかけしてすみません… よろしくお願いします。 と、笑顔で社交辞令を伝えて、 さっさと仕事に戻った。 |
席について、更に冷静になる。 |
ついにやった…。 |
でも心臓はちょっとバクバク…。 |
もう、後戻りはできない。 |
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退路を断った… |
しかし、私は追い詰められて やっと本気を出せるタイプ。 |
ここからの浮かれっプリが すごかった。 |
もう、嬉しくてワクワクが 止まらない… |
でも、ノープラン…。 |
でも、ワクワク…。 |
でも、仕事もしっかり…。 |
そんな感じで1か月… 5月中頃に庁内の友人らに 初めて退職の報告をした。 |
異口同音に 「すごく嬉しそう…」と 笑われた…。 |
大親友は呆れながらも応援して くれた。 |
業務が多忙なため、 あまり休まず、 有休を少し残したままの退職となる。 最期のご奉公…。 |
そんなことはどうでも良いくらい |
嬉しくて仕方がなかった。 |