僕は車を走らせていました。
山道をひたすら走る。
本当に深い山をひたすら走る走る走る。
名古屋から向かった先は愛知県北設楽郡豊根村。(きたしたらぐん とよねむら)
愛知県の最北東に位置するたいへん山深い村です。
これが豊根村の中心地。(手前に見えるのが役場)
緑色が豊根村です。
豊根村は2005年に日本一人口の少なかった富山村(とみやまむら)と合併しちょっと大きくなりました。
村域の9割以上が森林ということで、その人口密度は8.42人/k㎡(人口約1300人)という本当にのどかな地域なんです。
その反面、先日はあのEXILEのATSUSHI氏が泊り込みで訪れ、中学校で生徒と共に歌をつくっていったり(その様子はコチラ &コチラ )、数年前から芝桜まつり で賑わいを見せていたりと中々ホットな村なのです。
ちなみに、豊根村の左にあるのが我が設楽町。下にあるのが東栄町。
この3つの町村を合わせて北設楽郡(きたしたらぐん)と呼びます。
ここは確実にテストに出ますので今日は覚えて帰って下さいね。
そんなのどかな村の中でも、川を越え更に人里離れた場所に向かいます。
橋を渡り、しばらく進むと・・
ありました。
風にたなびくドイツ国旗。

そう
僕が向かった先は先日 、残念ながら売り切れ閉店をしてしまっていた 魅惑のパン屋さん
ドイツパン・クーヘン
ベッケライ ミンデン
現在は11時10分。

オープンが11時ですから、たくさんの美味しいパンが僕を待っていてくれる事でしょう。

期待に胸を膨らませ階段をあがります。
中に入ると、開店間際だというのに既にお客さんが何人かいらしていました。
とっても感じの良さそうな女性の方(奥様)が笑顔で迎えてくれました。
木で作られた温かい店内。
1つ1つ心を込めて作られたパンが並びます。
1つ1つを丹精込めて丁寧に作っているのが伝わってくるんです。
どれにしようか迷ったのですが、僕は豊根村名産のブルーベリーを使ったパンと、クリームパンを頂きました。
初めてのパン屋さんに行くと、いつも決まってクリームパンなんです。笑

店の外にはいくつかこんな手作りのイスとテーブルがあったので
そこで頂く事に。


豊根村の名産のブルーベリーを使って作ったパン。
サックサクの生地の中にブルーベリーとアーモンドが入っています。
これが絶妙すぎます。
まず何よりも生地が美味しい。
そして自然の甘酸っぱさが口いっぱいに広がるブルーベリー。
アーモンドの風味も全体を惹き立ててくれます。
そしてクリームパン。
少し固めのパン生地の中に、甘くコクのある、でもとても優しいクリームがたっぷりと入っていました。
どちらも抜群に美味しいです!
食べている途中のパンの中の画像が無いのは、もうブログどころでは無かったからです。( ´艸`)
そしてあたり一面には大自然。
青い空と白い雲。
目の前の川からはせせらぎが聞こえてきて
野鳥の声がオーケストラのように響いています。
そしてどこまでも続く新緑。
美味しすぎるパンを食べながら、そんな大自然を独り占めしている僕は
「天国ってここにあったのか・・。」 とウルウルしてしまいました。
ウルウルしてるさなか、ふと我にかえるとパンがありません。
い、いったい誰が食べたんだ!? ←お前だよ。
美味しすぎるものは気がつくと無くなってしまいますね。:*:・( ̄∀ ̄)・:*:
そんな訳で再びミンデンさんの中に。笑
「いらっしゃいませ^^」
と声をかけてくれた先ほどの奥様は僕をみると「あら」と笑ってくれました。
「美味しすぎるのでまた来ました。」と僕。
「そういってもらえるのが一番嬉しいです」と奥様。
この感動を伝えつつ、写真を撮らせてもらっても良いですか?とたずねるると、「どうぞどうぞ^^」とおっしゃりながら、こちらを綺麗に並べてくれました。
こちらはなんと奥様がお作りになったとか・・

素敵ですね♪
他には店内にはこんな可愛い人情も並べられています。
再びパンを買い、先ほどのテーブルで頂こうとすると、パン作りをされているご主人が出てきてくれて
「これカイザーというドイツパンなんですが良かったら食べてください。」とコチラを下さいました。
これが・・
美味しいのなんのって!(〃∇〃)
カイザーはドイツでは一般的な朝食に使われるパンらしいです。
カリっとした芳ばしいこのパンに、極上のクリーム。
“幸せ”を感じます。
幸せを感じたところで、先ほど買ったパンを頂く訳です。笑
今度はカスタードクリームパンとアンパン。

ミンデンさんは本格的なドイツパンももちろん扱っているのですが、今回はここでさらっと頂きたかったのでこんな食べやすいパンで攻めています♪
あんパンは「近くのおじさんがまとめて何個も買い占めていく」なんて話を、地元の友人に聞いていたので是非とも食べてみたかったのです。
しっとりとしたコクのあるクリームのカスタードクリームパン。やはり絶品。
そしてあんパンも美味しい生地にゴマの風味、そしてたっぷりのアンが最高でした。
・・・と、食べている時に何か僕は視線を感じていました。
相手も僕が気付いているのは察しているようですが、近づいてはきません。
そして、パンを食べ終わり一息つくとよそよそと近づいてきたのです。
あら、いらっしゃい。

お客さんに「ミーちゃん、ミーちゃん」と呼ばれていたので、きっとここの看板猫なんでしょう。
それにしても、食べている時は見守ってくれていて、食べ終わってから遊びにくるとは中々よく出来たコですこと。


ミンデンさんのご主人の山口さんは50歳を過ぎてから、かねてから大好きだったパンの職人になるべく、なんと単身でドイツの都市ミンデンに渡りました。
そこでマイスターの称号を有している現地パン職人のもとで修行つむことになります。
本当は修行が終わり次第、奥様の夢でもあった田舎暮らしを実現すべく、田舎にお店を構える予定だったそうですが、都会でパン職人としての腕を試したいとのことで名古屋市緑区にお店をオープン。
そこで本格的ドイツパンを作るパン屋として、本場ドイツの味を知る人達や日本に来日しているドイツ人の間で話題になり、確固たる評価を得たそうです。
そこでいよいよ2008年10月1にこの地に店をオープンしました。
素敵すぎますね・・(ノω・、)
そりゃこのパンが美味しいはずです。
僕が自然を見ながらパンを食べたり、猫とたわむれている間にも本当にたくさんのお客さんがやってきました。
地元豊根村の方から、浜松ナンバー、名古屋ナンバーの車。
そして、ロードバイクやオートバイを楽しんでいる方達も訪れていました。
これだけ美味しいのですから当然です。
なんでも名古屋でお店をしていた時よりも今のほうが忙しいとか・・。
その後、僕はちょっと飲み物を買いに近くのお店まで行き
最後に シメのパンです。笑
再びミンデンさんの中へ。
しめはプレッツェルとコルネ。
硬くてカリっと芳ばしいプレッツェル。しっかりとした歯ごたえで、塩の風味がきいています。
本場って感じがします。
そして今までの中でも最もサクサクで中にトロンとしたクリームが入っているコルネ。
やぱり最高でした。(///∇//)
これ男一人で行って男一人で食べてますからね。( ̄▽+ ̄*)フフフ
そんなわけで
幸せおすそ分け♪
贅沢ってなんだろうな。
美味しいパンを食べる為に、車をひたすら走らせる。
あたり一面に広がる大自然を独り占めしながら、美味しいパンを食べる。
五感全てで幸せを味わう。
これが何にもかえがたい“贅沢”に感じた一日でした。
ごちそう様でした。

ドイツパン・クーヘン


愛知県北設楽郡豊根村上黒川字柿平22
金曜日・土曜日・日曜日・月曜日の4日営業
11:00~17:00頃
(なくなり次第、閉店になります。)
0536-85-1234 (TEL&FAX共通)
ミンデンさんのパンは
豊根村の道の駅「豊根グリーンポート宮嶋」
でも頂けるそうですよ。


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