故ガボール・ナギーの右腕だとかライバルだとか、秘蔵っ子、弟子、運転手等 様々な方が見えるようですが、パートナーという意味で製作活動において本当に近しい関係にいたのは間違いなくこの男 リード・ロロン。
そのリード・ロロンのブランド Reid MFG のバレルペンダントです。
ちなみにMFGとは巷で made from Gaboratory(?)とか良くわからない噂が流れていましたが普通に manufacturing(製造業/工場制手工業)の意味だと思います。
このブランド、僕は物凄く好きです。
他の数あるブランドとは異質な何かを感じるんです。
それはリード・ロロン氏が紛れもない職人という事です。
物を造る人にはいろんな呼び名とその役目があります。デザイナー、クリエイター、作家、そして職人。
ここで意味する職人とは“与えられた仕事”を正確に高いレベルで迅速にこなす業を持つ人。
クリエイト活動ではなく、技術職という意味の職人です。
僕の回りにも尊敬すべき職人さんがたくさんいます。
Reid MFGにはそんな匂いが多分にするのです。
デザインに関してもフィーリングやアート的な感性から生まれた物ではなく、そういった製作を数こなす事によって自然と身についたような奥深いもの。
さらには職人さんにありがちな僅かながらの不器用さも魅力の一つです。
またReid MFGの作品は、身に着けた事にその良さが際立ちます。
shopのショーケースでピカピカ光ってる時でなく、実際に人が身につけた時に他のアクセサリーとは全く異なる存在感を放ちます。
この辺は言葉ではうまく説明できないですが、独特の艶感と曲線、gaborをも凌ぐようなゴッツリした重量感。
そして、更に使い込む事により、gaborと同様独特の色合いになっていきます。
ソリッドな部分などは流れにそって燻しが線をなし、本当に美しいです。
このバレル(樽)モチーフのペンダントでいうと、ご覧のとおりgaborのヌードルにデザイン的にはかなり似ています。
が、そこに漂う雰囲気がまったく違うのに驚かされます。
基本は線と面でデザインされているのですが、この線が物差しで引いたような味気ない線ではなく
人のフリーハンドの限界で引いたような僅かながらの歪みをもった線なんです。
この線が使い込む事によってへこみ歪み、更なる味を持っていきます。
Reid のアニマルはかなりエッジが主張したデザインで賛否両論あるようですが、あれらが十年、二十年と使い込まれエッジが滑らかになった時、その真の顔を見せるんじゃないかって僕は思うんですよね。
人が身に着けた時の印象にしろ、エッジをきかせたデザインにしろこのブランドの焦点は他のブランドよりかなり先に絞っているような気がするんです。
そういえば少し前に、近所のコンビニで全身リードの男性を見かけ大興奮。思わずアメンバー限定記事を書いてしまいました・・笑
女性をおつれになっていたので出来ませんでしたが、お一人でしたら確実に声をかけてしまっていたでしょう・・
いや、本当にカッコ良かった。かなりジャラリと付けてらっしゃったんですが、基本はシンプルなデザインなので嫌味感は殆どありませんでした。。
“漢”なんてコジャレタ言い方でなく正に“男”って感じ。
中々、お目にかかれないアクサセリーですが是非機会があったらその存在感を体験してみて下さい。
現在オーダーが再開したと言えど、納期は1年。
そんな生産スタンスも好きな訳ですが、リード・ロロン氏はアクセサリー製作が本業でないような気もします・・。
この方の他のジャンルの作品、機会があったら是非観てみたいです。