この出版物は、元ヤマギシストで現在、山梨県で鶏卵づくりに従事している佐藤喜正さんと一緒に作成したものです。

制作費に数十万円かかるということでしたが、私たちは「何としてでも、ヤマギシの子どもたちが受けた虐待は記録として残さなければならない」という気持ちで、作成しました。

●目次は以下の通りです。(A4版、155頁)

・刊行するにあたって
・解説
・アンケート編
・アンケート調査書
・アンケート集計結果
・アンケート記述式内容
・資料編
・広島弁護士会のヤマギシ会に対する警告書
・日弁連に対する人権侵害調査の申し入れ書
・日弁連のヤマギシ会に対する勧告書
・ヤマギシ会の年表
・ヤマギシ会の子どもに関する書籍紹介
・編集後記

●ヤマギシ会をどう形容するかは、同会をどう評価するかによって異なりますが、そうした立場性を超えても、きわめて難しいと言わざるを得ません。
ユートピア集団、農業を基盤とした共同体、無我執集団、脳を洗う集団・・・。
私は「脳を洗う集団」が一番しっくりくるのですが、そう決めつけてしまうと、何かを見失ってしまうようにも思えます。

それはともかく、70年代から80年代にかけてユートピア集団のように雑誌やテレビで取り上げられてきたヤマギシ会は、その裏側で、ヤマギシ会の子どもたちを虐待してきました。
ヤマギシ会の大人たちは、<我執のない子ども>に育てようと、サディスティックな悪意からではなく、善意の気持ちから、子どもたちに暴行を加えていました。まさに「善意の道は地獄に通じる」です。

 
●『虐待の真実』は、目次にある通り、主に、三重県が実施したヤマギシ会の子どもたちへのアンケート結果をまとめたものです。

「思いっきり蹴ったり、ほっぺを両手でたたいたり、投げ飛ばしたり、体を持ち上げて壁にぶつけたり、ガラスに突っ込まれたり、殴ったり、一回鼻血がとまらなくなるくらいにやられた。泣いても、さらにやる。机のたくさんある所にぶち込まれて机の角とかにぶつけられたり。」(回答者は中学生)と記されています。

これほどの虐待が行なわれていることに、警察はうすうす気がついていながら、何もしなかったのですから、前回(統一教会考3)書いたように、親権を絶対視する警察の罪は大きいと思います。

ヤマギシの子どもたちは今では、上は30代後半から下は20代半ばになっていますが、心的外傷はいまだ癒えていないと思います。アルコール依存になった子や、薬物に手を出す子どももいて、暗澹たる思いがします。

●戦後に、日本、いや世界中を探しても、これほどの虐待を子どもたちが集団で受け続けた例はないと思います。
書き手の主観は抜きにした三重県のアンケート結果ゆえに、学問的研究の材料にもなると考えています。
どうか、子どものことに関心のある人は手に取ってみてください。


以上、ブログより引用しました。





結局、学歴もなく、頼る家族もいないまま身一つで社会に出ることになるため、村の経験を活かす機会もなく、現場仕事などで食いつなぐ元村人の2世が多かったと本に書いてあるそうです。
とんでもないことですよね。