あいするきみを | 何も知らない

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基本歌詞







一人ぼっちの可哀想な彼女は、
ほほえみを浮かべて言いました。
「誰からも嫌われたくないから、
        笑顔でいるんです。」


彼女はさみしいと呟いて、
笑顔は曇りました。
あの子に好かれないのなら
無駄なのだと、泣きました。


ちぎれそうなほどか細い声で
おやすみを告げて、
彼女は泣き腫らした目で、
今日も一人眠るのです。


彼女は君に好かれたくて、
精一杯に君の色に染まって笑うのです。
嫌いなものも好きだと嘘を吐き、
そうして許しを請うのです。


「仕方ないよね。みんな、
  自分と同じものを好きでなきゃ、
          だめなんだもんね。」


一人ぼっちの可哀想な彼女は、
涙を浮かべて言いました。
「誰からも嫌われたくないから、
     誰も嫌いたくないんです。」


彼女はかなしいと呟いて、
笑顔は曇りました。
嫌いになりたくないと、
怯えてただ、泣きました。


傷つけられる痛みを、
苦しみを知っているから、
自分の手でそんなことをしたくないと、
彼女は言うのです。


彼女は君を好きでいたくて、
精一杯に君を許し、笑うのです。
涙を堪えて笑顔を浮かべ、
彼女は今日も、自分を殺すのです。


そうして出来上がった彼女の形は
今にも崩れそうなほど脆いのに、
彼女はそれに気付かないまま……


彼女は君に好かれたくて、
心を削ぎ落としました。
彼女は君に好かれたくて、
心の形を変えました。
いびつな形になった彼女は
それでも許しを請いましたが、
本当は、
その先に何もないと知っていたのです。


きみの なみだも ことばも
すいつづけてきたよ
きみの なみだを
ぬぐえたらと ねがっても


ぼくの りょううでじゃ
きみを だきしめられない
なきはらした まぶたも
いやせないから せめて


きみの なみだが
きみを こわしてしまわないように
きょうも なみだを すいとるよ