バラナシ空港に向かうタクシー車内での会話。
ほぼ契約しているタクシー会社ということもあり、運転手から、
「月給3,000ルピー(約6,000円)ではやっていけない。社長に『運転手の賃金を上げてあげて』と頼んでくれないか?」と頼まれた。

以前、使っていた会社は月給5,000ルピーだと聞いていた。
それよりも低い月給で、仕事を続けないといけないのは、過酷だろう。
別の運転手にも、家賃が5,000ルピーなのに3,000ルピーしかもらえない」と聞いたことがあり、嘘ではない。


国で、州で決められた最低賃金よりも、もちろん低い。
(美しい法律があっても、実践されていないのが、これまでのインドの有り様なので驚くに当たらない。)
http://www.paycheck.in/main/salary/minimumwages/uttar-pradesh/uttar-pradesh-minimum-wage-with-effect-from-april-1-2017-to-september-30-2017
 

どうやって暮らしているのか?
「お客さんのチップに頼っているから、なんとかやっていける」そうだ。

私は、プロジェクトでこの会社の運転手付き車両を使っているけれど、
仕事で使っているのに、毎日自腹で支払うは、気持ち的に納得しないので、チップ無し。
きっと、運転手は「あー今日は、あの団体か。チップなしか…」と思っているはず。
(嫌だと思う運転手は、わざわざ問題を作り出して、「もう、あの運転手を手配しないで」と言わせるようにしているとか。踏んだり蹴ったりね、お互い。)

最低賃金を少なくともカバーする賃金が払われていれば、
運転手がチップを煩く要求したり、わざわざ問題をこしらえたりするようなことがなくなるのに。

チップを要求するのは、運転手だけではない。
公共のゴミ収集のおじさんも。
アパートでもゴミ収集をしてくれるので、公共のゴミ収集おじさんには頼っていなかった。
でも、よく考えたら、
「アパートのゴミが、最終的に公共のゴミ収集場所に行くのだから、公共のおじさんにゴミを渡した方がいいな」と思い、数日、お願いすることにした。
そうしたところ、「ディワリとホーリーのときに、チップをもらっていない(から、くれ!)」と、何度もベルを鳴らし、煩く要求され、閉口した。
(そして、アパートのゴミ収集スタッフにお願いする、に戻った。)

税金の徴収が、インドではかなり厳しくなったと聞いている。
その税金がきちんと使われていれば、ゴミ収集おじさんがチップを要求するようなことはなくなるのではないかしら?

現在、ケララ州のコーチンで休暇中。
交通渋滞中、乞食のおばさんたちが近くに寄ってきた。
友人によれば、乞食を目にするようになったのは、ここ1カ月ぐらいのことだという。
乞食は、インドの風物詩のように感じている私にとっては、かなりショッキングな発言。

(あ、でも、そういえば、20年前にケララ州に来た時、乞食がいないことに驚いた記憶がある。)

友人は、「コーチンで乞食をする必要は全くないので、かなり不愉快」とのこと。
乞食をする必要がない?
どうやら、メイドなどの方法で働く先はいくらでもあるし、賃金がかなりいいらしい。
友人の家は夜間の見張番を雇っており、その賃金が日給700ルピー(月額21,000ルピー)だとか!
運転手の賃金も月額20,000ルピーらしい。
 

 

なぜ、こんなにバラナシ(あるいはムンバイ)と違う状況なのだろう?

 

共産党が強い政治的土壌のケララ州。

となると、「労働者の権利」在りき。
理由の一つは、これなのだろうな。
なんだか、凄いぞ、ケララ州。

 

さてさて。
きちんと働き、賃金をもらい、それなりの暮らしをする、のと、
きちんと働かないで、乞食をし、まぁ、生きてはいける、のと、
乞食をする生活に慣れてしまった人は、どちらを選ぶのだろう。
(うーん、個人的な感想とはいえ、問題発言?でも、気になるもの。)