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こんにちは。macaron mamaです。


本日は、私が読んだ本の紹介と感想を書きたいと思います。


…‥と言っても、2008年に刊行された本、

しかも、その年の日本SF大賞受賞作ということで、

読んだことがある方も多いと思います汗


貴志祐介 著

『新世界より』




『悪の教典』『黒い家』など、

映像化もされている筆者の作品。

どちらも過去に読んで面白く、他の作品も読んでみたいと思っておりました。


レビューも高評価、2012年にはアニメ化もされている「新世界より」ですが、

私は最近初めて読みましたよだれ笑


結果、おもしろかったです!!

…と、今さら私が言うまでもないと思いますがよだれ

おもしろいだけでなく、人間の残酷さや傲慢さなど、

考えさせられることもたくさんあった1冊でした。

(上中下巻の3冊ですが笑)


  『新世界より』あらすじ


舞台は1000年後の日本。

人類が呪力(念動力、サイコキネシス)を持つようになった世界。

人類はバケネズミと呼ばれる、知性を持った生物を使役していた。

主人公の早季は「神栖66町」という集落で静かに暮らしていたが、

とある出来事がきっかけで自分たちが住む世界の歴史と秘密を知ってしまう。

以降、早季を取り巻く平和だった世界が少しずつ変化していき、やがて恐ろしい事件に発展する。


  感想

過去の読書経験から

私の拙い文章で伝えられるかわかりませんが。。


序盤は物語の世界観や馴染みのない用語を掴むのに少し苦労しました。


中盤までは、随所に謎や不穏な気配を散らしつつも、まあまあスローペースで進んでいきます。


が!!後半の圧倒的な緊迫感と恐怖感に、最後はページを捲る手が止まりませんでした。


例えるなら、中学生の時に初めてハリー・ポッターと賢者の石を読んだときの感覚に似ています。

(「中盤までに散りばめられた伏線を終盤に見事に回収する」という点では共通していると思います。)


「大人から管理される子どもの集団」という点では、

カズオ・イシグロさんの「私を離さないで」を彷彿とさせます。


しかし、「私を離さないで」で主人公が暮らしていた施設が、

子どもたちの内面を観察し、そこに人間性を見出そうという試みだったのに対して、


「新世界より」では、子どもたちを画一的に育て(主人公と友人たちは実験的に人格操作されなかった)、

基準から外れた者は排除される、という点で異なり、

一見平和に見えながらもより残酷な世界だと感じました。


人間の怖さ

この世界の人間には、呪力で人間を攻撃できない「攻撃抑制」と「愧死機構(きしきこう)」が遺伝子に組み込まれています。

(呪力で先制攻撃すれば簡単に人をあやめることができてしまうので、過去には文明までもが崩壊してしまった)


そのおかげで人間同士に争いはおこらず、

登場人物みんな倫理感が高い良い人状態ですが…。


この物語のキーとなる生き物、

バケネズミ。


呪力を持つ人間に服従する一方で、

人間の匙加減一つで簡単に滅ぼされてしまう存在です。


人間の攻撃的な面が、このバケネズミに向けられているような気がしてなりません。


人間に対しては「傷つけるなんてことできない」

と言いながらも、

バケネズミに対しては平気で残酷なことをしまくります。(物語終盤は攻撃されたからというのもあるかもしれませんが)

それも、酷いことをしている自覚無し。

(さらにいえば、バケネズミの正体も…。)


攻撃抑制によって同種への攻撃性は抑えられているものの、

人間は奥に攻撃性と残忍さを秘めているのだとまざまざと見せつけられているようでした。


  ​というわけで、おすすめです!!

長くなってしまいましたが、

久しぶりに読み応えのある本を読みましたキラキラ

と言っても昔の本ですが笑


私は気に入った特定の作家さんの

本を読むことが多く、

今後は貴志祐介さんの本をコンプリートしたいと

思います目がハート

とにかく面白いので!


今日から始まってます

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