少年は、黒い布で目隠しされ、猿轡をはめられた口はガムテープで塞がれたままだ。
少年の激しい動きが続けられている間も、ずうっと、彼と僕のつくる位置関係は変化している。
ある時には、真上から、そして真横あるいは斜後方から、仕舞いには---とても、信じてもらえそうにないが、これは本当のことだ---彼の内部としか考えられない場所から、彼の姿を捉えていた。
僕は、自分の意志とは無関係に変化する、僕の、と思える視点から、あらゆる角度の少年の姿を眺める。いいや、眺めさせられているのだった。
人間が聴くことができる最高限度付近と思われる異常な高音が、これでもか、これでもかといった感じで、執拗に連続して発せられてくる。
少年は、それに対して、明らかな反応を示し、その動きは一層激しく、しかもギクシャクした感じになってゆく。
少年の体は、バネ仕掛けのように細かな振動を繰り返し、時折、思い付いたかのように跳ね上がる。
そうかと思うと、次の瞬間、少年の体からはすべての緊張感が失われ、筋肉と骨格とがグニャグニャに変形し、まるで新種の軟体生物かのように滑らかな鏡の床をうねり始めるのだった。
少年の体は、目紛しくその表情を変え、僕はといえば、彼の姿をあらゆる角度から、じっと眺め続けている。
眺め続けさせられている。
To be continued.
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