世界的に貨物の運賃は、引き受け貨物の最大サイズと最大重量が決まっていてそれ以下であれば重さによって運賃が決まります。
軽量でも容積が大きな貨物については各社異なりますが各社で定められた容積重量の計算方法があり容積を重量に変換し、実際の重量より容積重量が重い場合はその数値から運賃が決まります。
日本国内の宅配便大手は、「3辺計」という計測で運賃をきめています。
2017年10月1日に某宅配便大手会社が宅配便運賃を値上げしました。
宅配便運賃の値上げに関しては妥当だと思います。 値上げと一緒に「3辺計」の計測徹底が実施されました。
この「3辺計」という計測方法には、多くの疑問があります。
画像をご覧ください。(画像では、60/80/100の3サイズで比較しています)
60サイズ
この画像の60サイズの最大容積である「3辺計」で20cm x 20cm x 20cm(計60cm)の8.000㎥です。8.000㎥は、5cm x 5cm x 5cmの0.125㎥が64個積み重なった大きさです。このサイズであれば、60サイズの運賃で集荷されていきます。
80サイズ
この画像の80サイズは、60サイズの箱を真ん中からスライスして横に並べた「3辺計」で40cm x 20cm x 10cm(計70cm)の8.000㎥です。60サイズと同じ容積ですが、80サイズの運賃で集荷されていきます。
100サイズ
この画像の100サイズは、80サイズの箱を更に縦割りして並べた「3辺計」で80cm x 10cm x 10cm(計100cm)の8.000㎥です。60サイズと同じ容積ですが、100サイズの運賃で集荷されていきます。
容積だけで計算した場合、それぞれのサイズの最大容積は、60サイズは8㎥、80サイズは約18.95㎥、100サイズは約37㎥、120サイズは64㎥、140サイズは約101.6㎥、160サイズは約151.6㎥となります。
画像の形状ですと80サイズは、80サイズの最大容積の約42%、100サイズは、100サイズの最大容積の約21%です。
今回の運賃値上げ後より「○○円以上お買い上げで送料無料」のサービスを廃止する通販業者が多く存在します。送料無料を行っていた業者さんはそれなりの個数を毎日出荷していて「3辺計」にあまり縛られない暗黙荷受けが有ったのだと思います。
資本主義の世の中で「送料無料」は、無料ではあるけど無料では無い事くらいは大人であればわかります。今回、「送料無料」サービスを廃止した通販業者は、運賃値上げよりもアンフェアな「3辺計」に負けたという理由の業者が殆どだと思います。