【感想】映画『バケモノの子』を観てきた。【レビュー】 | Like a blue rose -有言不実行-

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外部リンク:バケモノの子公式サイト



先週末公開されたバケモノの子を観てきた。
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スタジオ地図・細田守監督の最新作。
この細田守監督は、スタジオジブリの作画部門が解体された今となっては
ポスト宮﨑駿だと一部では囁かれている。

ちなみに細田監督の逸話で有名のなのは、かのスタジオジブリの試験を受けに行き、細田監督から提出された作品を観て驚いた宮﨑駿監督は、直筆の手紙を認(したた)める。そこには「君の才能を削ぐ恐れがあるので、あえて不合格にしました」と書かれていたという。

今聞けば美談。
実際、ハウルの動く城は始め、細田監督が宮﨑駿監督にお呼ばれして制作がスタートした 話もあった模様。それはまた別の機会に書くとしよう。


さて、映画本編の話。
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おおかみこどもの雨と雪に続き、今回も獣が出てくる。
この動物との共生感。。。やはり少し宮崎監督作品のオマージュが入ってないとも言い切れない。


今回の舞台は擬人化された獣の世界『渋天街(じゅうてんがい)』と人間世界『渋谷』とのスクランブル。
父親が姿を消し、母親を事故で失った子供・蓮(れん)は、親族に育ててもらうことを拒絶し、夜の渋谷に駆け出し、さまよい歩く。
失意のどん底に落ちた蓮は、自分の中に闇を見る。その後人間界に出張ってきていた獣人、熊徹(くまてつ)に出会う。後を追っていくが、姿はみつからない。やっと見つけたと思った建物の隙間で迷路の様な場所に迷い込む。程なくして、その場所を抜けるとそこはもう渋天街だった・・・
一悶着ありながらも師弟関係になる熊徹。蓮も九太(きゅうた)という新しい名前とともに強さを求めていく。また、熊徹は熊徹で次期渋天街の宗帥(そうし)の座を猪王山と争っていた。九太と何かあればぶつかり、2人は水と油のようだが、熊徹自身もいつしか九太に理解を示すと(情のようなもの?)、誰かに何かを教わるという姿勢を逆に九太から学び、また九太も実力を上げていく。
とある日、九太はまた熊徹とまたぶつかり、たまたま迷路を抜けて人間界の渋谷に戻ってしまう。約10年ぶりの人間の世界。
そこで楓(かえで)と出会い、知識を学ぶことに興味が湧く。
九太は人間界に足繁く通う様になるのだ。。。


雑感。
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あらすじはこんなものだが、実に熊徹と憎たらしい、物怖じしない九太の掛け合いがイイ。
そもそも九太の幼少期、宮崎あおいさんの声が私は大好きだ。(話がずれる
新しい世界にきて、しおらしくお行儀良かった千と千尋の神隠しとはまた解釈がちがう。
宮崎アニメはちょっとした教育性、協調性、処世術、社会構造が埋め込まれているのだ。
対して細田作品はどちらかと言えば破天荒、はみ出し者、ならず者ばかり。
じつはエンタメとしては細田作品の方が難しく考えることなくていいんじゃないかと思う。
どうせアニメで出てきた礼儀なんて現実世界では役に立たないのだから。(たぶん

破天荒、子供っぽいのは熊徹自身もそうだ。
実に憎めないキャラである。
熊徹は熊徹でその時その時の状況にいっぱいいっぱいでこなしている感がある。

主役は九太かも知れないが、熊徹は熊徹でほぼ主役である。
最後だけすこし名脇役に回るのだが…それは観てのお楽しみ。

因みに、アニメーション(作画)としてだが、これは細心のクオリティをめざすジブリレベルとまではいかないが、記憶をほじくり返しても一定以上のクオリティだった。
もちろん随所、格闘シーンなどは見応えあった。
また獣人という現実にはありえないキャラデザインの中、よく絵を崩さず描き上げたものだとクオリティー管理には尊敬する。


次回作品に期待するもの。
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細田監督については冒頭の下りの話から、細田監督作品はおおかみこどもの雨と雪あたりから(スタジオ地図を立ち上げての制作をスタートしてから)媚びてきているという評価の人もいる。

商業としての成功は絶対条件である。それも立ち上げたスタジオで作るもの。心理的にはやはりそうなるのかもしれない。多くの人に見てもらい、アニメファン以外の間口も広げる、など。
と言われても私には具体的にどこらへんが媚びていたとは判断できない。前作のおおかみこどもの雨と雪も。今回も見る人が見ればそういうカットもあるかも知れない。

細田監督に今後望まれるのは世界やストーリーの壮大さかも知れない。
今のところこれまでの作品は、世間が狭いというか基本的には主人公に密に関わる世界の話だけで、主人公の係る舞台の範囲自体は狭い。(逆に実写化舞台向きかも

壮大なスケール感での作品を次回は期待することとして、

小難しい言い回しをしたし、
正直サマーウォーズを超えるセンセーションは無かったけど、

超良かった。

今回も時間に余裕があるならもう一度ぐらいは映画館で観ようと思う。



細田守の世界――希望と奇跡を生むアニメーション

細田守とスタジオ地図の仕事