幕no内弁当! -18ページ目

幕no内弁当!

秋葉原で「なんでも屋」を営む桐嶋快斗の日常を、台本形式でお届け!
 
この物語はフィクションです。登場する人物/団体/名称等は全て架空であり、実在するものとは一切関係ありません。
※許可のない転載は厳禁です

 

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_______と、寝室のドアが開き快斗___「行くのか……」_______快斗の姿はなく、声だけが響く
アスカ__「……ああ」快斗___「……」アスカ__「……」快斗___「みんなには……」アスカ__「……」
快斗___「……そうだな」アスカ__「……」快斗___「……」アスカ__「世話になった」快斗___「やめろ……」
アスカ__「……フンッ」快斗___「……」_______呼吸すら

-【プロローグ】-
_______朝陽が薄く差し込むマンションの一室_______リビングを見渡すアスカ_______手紙をテーブルに置こうと手を伸ばす______が、アスカ_________手紙をポケットにねじ込み、ドアに向かう_______ガチャ……聞こえない静寂     それを破るように、アスカが大きく息を吹く
快斗___「死ぬなよ」アスカ__「!?」快斗___「絶対に……」_______アスカ、フッと微笑しアスカ__「……『あたりまえ』だろ」ドアに向かうアスカ_______快斗は寝室の内側からドアノブを引いたまま、     握った手を離せずにいる。
_______扉の縁に頭を預け、思いを馳せる快斗___「(あれから何年経ったんだろう)」_______玄関から紐の擦れる音
_______アスカがブーツを編み上げているのだろう     考えてみたら、初めて聞く音かもしれない……快斗___「あいつが、……アスカが、ここに来てから……」        そう、すべてはあの日から始まった……        なんでもない、あの日から……
――――――【数年前】―――――______秋葉原・休日の電気街_______にぎわう歩行者天国_______女性アイドル声優の歌が流れている【13:27】快斗___「よろしくお願いしまーす!」_______声優アイドルの陽気でちょっと恥ずかしい楽曲
_______晴天_______さすが休日と言わんばかりの人の多さ快斗___「女子高生声優アイドル、川村さつきちゃんのデ
______シングル、本日発売でーす!」_______学生から中年まで、男女がそれぞれの目_______的で流れ続ける街「秋葉原」快斗___「本日お求め頂いた方は、特設ステージでの ”さつき______ちゃん”スペシャル握手会に特別ご招待いたしまー
______す!」_______秋葉原電気街、歩行者天国_______ヒロインやメイドに扮した女の子が、カメラ小僧
     たちに囲まれ、本来ならばセクシーと言われるであ       ろうポーズを披露している。_______そんな風景を見ながら汗だくになっているサンドイ______ッチマンの桐嶋快斗快斗 __「ふぅぅ、ぁあっつい、、、」
_______身体の前後にぶら下げている段ボールには、_______大きく ” 川村さつき ” の文字快斗___「しっかし誰なんだ、川村さつきって…。このキンキン______声はどう聴いても小学生だろ。とても高校生には______……でも、人気あるんだろうなぁ……」_______気がつくと、快斗を見上げ頬っぺたをムスッと膨ら_______ませた女の子が目の前に。
_______快斗、しゃがみ込み、快斗 __「お嬢ちゃん、川村さつきって知ってるかな? 」_______女の子の顔が笑顔に変わる
女の子__「へへへ♪」快斗___「……知ってるの?」女の子__「満面の笑みで)ばぁ~か」快斗___「……へ?? 」
女の子__「イヒヒ♪ お兄ちゃんのばぁーかって言ったの♪」
    ___ワケがわからない快斗女の子__「んひひひひぃ♪ 」快斗___「ぁは、、、ははは、、、、あはははははは、、、、、、、、なん
______だ?? _______遠くから母親の声母  _ 「いずみー! 早くいらっしゃい。遅れるわよ!」
女の子__「はぁーい! (向き直り)ばいばい!」_______走ってく女の子_______母親のもとにたどり着き、またこちらを向いて
_______アッカンベェ! のジェスチャー_______やりきってからもう1度満面の笑みを向け歩き去る
快斗___「なんだったんだいったい……」店長___「快斗くーん!快斗___「ぁ、はぁーい。」
_______アニメイズの店長が駆け寄ってくる快斗___「こっちも満面の笑み、か。」_______50mもない距離を息を切らせて到着する店長店長___「いや~、暑いでしょう、スポーツドリンクでもどうだい。」快斗___「ありがとうございます。」
店長___「快斗君、キミのおかげで売上げ絶好調! 見込み以上だよ。これから促販イベントのお願いは毎回キミに依頼することに決めたから、そのときはまたよろしく頼むね!」
快斗___「は、はい……」店長___「時間になったら事務所に印鑑持ってきてね! 給料は色つけとくからさ! それじゃ!」
ルンルン気分が滲み出るようなスキップで戻る店長隣の音楽専門ショップより客の流れがいいので機嫌がいいのだろう。
_______ま、今日だけのことなんだろうが。_______手元のペットボトルを眺め快斗___「絶対ぬるいよな、コレ……」
_______軍手をしているため、手に持ったモノの温度がわからないのだ
_______朝この店を訪れたときの店長の言葉を思い出す______「いいか桐嶋君、サンドイッチマンはね、軍手が命なんだよ! 軍手をしてないサンドイッチマンなんてサンドイッチマンじゃぁない!!」快斗___「だからなんで軍手なんだよ。むかし浅草にいた頃どーのとか言ってたけど・・・。こりゃ次引き受けたらぬいぐるみとか着せられそうだな、炎天下で……」_______ペットボトルを開け、一気に流し込む快斗        ドンッ!声____「イテッ!」快斗___「ぶわぁっ!」
声____「うわぁ!_______片肩にスポーツバッグ____迷彩パンツに、足元はタクティカルブーツ
_______まっ赤なタンクトップの女が立っている______ そして・・・濡れている。快斗___「ぁ、す、すいません! 大丈夫ですか!」女____「大丈夫ぅ!? ダイジョーブなワケねーだろ! 人に飲みモンブッかけといてなんだその軍手は!!」
快斗___「ぇ、軍手ですか、、、」女____「イッチョマエにスポーツドリンクなんか飲んでんじゃねー!」
快斗___「す、すみません。オレの不注意でした、、、」女____「ッタリメーだ、オメーみてーな輩は水でいーんだ水で!!」
快斗___「はぁ、、、」女____「気をつけろ!」
快斗___「も、申し訳ありませんでした、、、」女___ 「ったく、なんでぬるいんだよ。どうせなら冷やしとけってんだ。スポーツドリンクなんか飲みやがって、アスリートか。軍手の国体でもあるっつーのかよ、クソッ!」
         歩き去るその女を見ながら快斗___「な、なんなんだあの人、、、」_______ブーツをゴツゴツ言わせながら歩く彼女に、_______中年のカメラ小僧が近づいていく快斗   「(やめといた方がいいと思うんだけどなぁ……)」
中年___「あのぅ、す、すいません彼女ぉ。」女____「(無視)」中年___「しゃ、写人を1枚、、、」
女____「うざい。」        ベコ___「んごぉ・・・」_______中年は美少女アニメの等身大促販パネルにアタマを突っ込みノビている快斗___「む、むごい、、、」_______周囲の人が騒ぎ始める快斗   「(腹減ったなぁ……ぃゃ、ダメだダメだ。よし、気合いを入れてもう一踏ん張り!)」        ペットボトルを足元に置き、快斗___「え~、超有名声優アイドル『川村さつき』ちゃんのデビューシングル、本日発売でーす。本日お求め頂いた方には特設ステージでの『さつき』ちゃんスペシャル握手会の特典がございまーす!」        スーツ姿の男がスマホで通話しながら通りすがる
男    「はい、かしこまりました。ありがとうございます! それでは後程改めてご連絡させていただきたいと思います! はい。では失礼いたしますぅ!!」        チラッと目が合った、気がした……快斗   「(あと4時間半、かぁ)……( ̄∇ ̄;) 」
        サンドイッチマンの自分を、改めてまじまじと見る快斗であった……(第001話『謎の女』は、まだ続きます!)