2015年11月5日両国国技館で行われた「天龍源一郎 引退~革命終焉 Revolution FINAL」において、ギタリストの高中正義本人がライヴで演奏した、天龍入場テーマの名曲。この曲は高中正義が1981年7月5日に発表した名アルバム『虹伝説』の一曲、『THUNDER STORM(サンダーストーム)』。当時全日本プロレスのテレビ中継を行なっていた日本テレビによる公募で天龍の入場曲としてこの曲が選ばれた。全日本プロレス時代はタッグを組みタイトルも獲得したスタン・ハンセンと天龍源一郎。実はスタン・ハンセンの入場テーマ曲として有名な『サンライズ』も、天龍の入場曲公募に送られてきた。だが、日本テレビのスタッフは『これは天龍ではなくハンセンに合うな』と、ハンセンのテーマ曲に回したという。この判断はお見事としか言えない。原曲には、冒頭に外国人のナレーション入るが、会場使用には、雷鳴の効果音が編集されている。この「サンダーストーム」、全日本プロレス以外での使用時、SWS(後年)、WAR、新日本プロレス、ハッスルでは、VAP版のカバーヴァージョンが使用された。
高中正義は、東京都品川区大井出身のギタリスト、ミュージシャン、音楽プロデューサーである。1971年のデビュー以来、日本のロック界、フュージョン界を代表するギタリストの一人である。使用するギターは、本人の特注色であるラグーンブルーのヤマハのSGが代表的ではあったが、昨今はフェンダー社製のストラトキャスターモデルを主に使用している。中国人(南京市出身)の父親と日本人の母親の間に生まれる。高中本人が日刊ゲンダイのインタビューに答えたところによれば、「父は第二次世界大戦後に中国から来日して高中姓の母と結婚しました。私は小学校4年生の時に日本へ帰化して劉正義から高中正義を名乗ることになりました」という。実家は品川区大井町の商店街で「雀荘三元閣」を営んでいた。武蔵工業大学付属高等学校(現:東京都市大学付属高等学校)在学中だった高校3年生のとき、エイプリル・フールのコンサート中に酔っ払ったメンバーの「誰かギターを代わりに弾いてくれ」という呼びかけに応じて、客席から学生服のままステージに上がり演奏したことがプロ・デビューのきっかけとなる。
柳田ヒログループの一員として、1971年7月日比谷野音で開催された岡林信康の「狂い咲き」コンサート(後にライブ盤も発売)でバッキングを務める。同年8月に、成毛滋とつのだ☆ひろのストロベリー・パスのサポートとしてロックイベント「箱根アフロディーテ」に出演、一カ月後に正規メンバーに迎えられフライド・エッグと改称するのだが、このプロデビュー時は本人の意に反してベースを担当させられていた。フライド・エッグ解散後、加藤和彦が結成したサディスティック・ミカ・バンドに参加し、ここからプロ・ギタリストとして活動していくようになる。同時期、スタジオ・ミュージシャンとしても活動しはじめ、各方面で頭角を現すようになる。1975年、サディスティック・ミカ・バンド解散後は、残ったバンドメンバーの高橋幸宏、後藤次利、今井裕らとサディスティックスを結成する。翌1976年、自身初のソロアルバム『SEYCHELLES』を発表し、以降はサディスティックスとソロ活動を併行していくようになる。他のメンバーもソロ活動と掛け持ちし、いずれもソロ活動のほうに比重を置くようになったため、サディスティックスは自然消滅するように1978年に解散していった。サディスティックス解散後はソロ・アーティストとして活動していき、毎年コンスタントに1〜2枚のペースで発表していったソロアルバムは、自身のオリジナル曲を中心としたギター・インストゥルメンタル曲で構成されたことにより、それまでのロックから当時盛り上がりはじめていたフュージョンのフィールドに活動がカテゴライズされるようになる。リスナー層は、フュージョン黎明期の楽器を嗜むアマチュアミュージシャンといった限られた層だけではなく、夏や海を連想させる親しみやすい曲調で当時のトロピカル・ブームとも相まって、早くから流行に敏感な若者層全般まで支持を広げていた。フュージョン・ブームが頂点を指した1979年、代表曲となる「BLUE LAGOON」が収録されたアルバム『JOLLY JIVE』を発表し、さらにその直後には日本武道館で井上陽水とのジョイントコンサートを行って話題となり、ここで人気が爆発した。1981年、イタリアの画家ウル・デ・リコの絵本「虹伝説」から得たインスピレーションによって制作したコンセプトアルバム『虹伝説 THE RAINBOW GOBLINS』を発表。同年の第23回日本レコード大賞企画賞を受賞したほか、アルバムとともにその世界観をステージに再現した大掛かりなライブは大反響を起こす。
1981年にリリースされた高中正義の『虹伝説 The Rainbow Goblines』は、発売当時、アナログで2枚組みの大作だった。このアルバムは、イタリア人画家ウル・デ・リコ描いた絵本「The Rainbow Goblins」を元に、高中本人がその絵本の14枚の絵をイメージし、作曲したコンセプトアルバムで、絵本の持つ幻想的なイメージと、高中正義独特のトロピカルサウンドが一体化されたファンタジックな作品となった。原作の絵本『The Rainbow Goblins』は、虹を食べ尽くしてしまった妖精の七色の鬼(レインボー・ゴブリン)たちが、自然の報復を受けて滅び、自然界に平和が戻るまでを色彩豊かな絵で表現した作品で、原作者のウル・デ・リコは「なぜ、虹は空に浮かんでいるのか。」という問いから着想を得て制作した絵本とのこと。その絵本を高中流に料理された本作は、この絵本の幻想的なイメージをそのまま音にした素晴らしい作品で、オープニングの「PROLOGE」からぐいっとこの世界に引き込まれていきます。 どの楽曲も絵本のイメージ通りに仕上がっていて、何度聴いても飽きさせないアルバム。絵本を読みながらアルバムを流すと、より一層この世界に浸れるのでは!?高中正義というと、当時『BLUE LAGOON』というトロピカルなギターサウンドの楽曲で一躍有名になったギタリスト。 リリースからもう28年も経っているのに、全く古さを感じさせない素晴らしい作品。特に感動的なエンディング、「You Can Never Come To This Place」は素晴らしいのひとこと。
■天龍源一郎(サンダーストーム)
https://www.youtube.com/watch?v=l5X6yf91acY
■天龍源一郎入場テーマ曲「サンダーストーム」MonkeyFlipLIVE
https://www.youtube.com/watch?v=lLGq99fA23Q
■プロレス SWS 天龍源一郎vsハルクホーガン(VAP版?)
https://www.youtube.com/watch?v=FiqsOzXFadc
※ハルク・ホーガンは、「リアル・アメリカン」での入場。
■天龍源一郎VSスタン・ハンセン PWF・UNダブルタイトル戦88年3月横浜
https://www.youtube.com/watch?v=Skfo9JfPcBo
■テーマ曲ヒストリー
- サンダーストーム(高中正義。1981年のアルバム「虹伝説」収録曲。なお、ハッスルに出場している時はカバー版を使っている。SWS時代は冒頭にゴジラの鳴き声が入っていた。)
- レボリューション〜天龍源一郎のテーマ〜(SWS旗揚げ直後のみ。それまでの入場テーマ曲を廃し、新たに各道場ごとに作られたテーマ曲が入場曲として使用されていたが、ファンからの「サンダーストームに戻してほしい」という要望により元に戻されている。企画アルバム「プロレスQ11PM」に収録されている。)



