全日本プロレスの”怪物”ジャンボ鶴田からAWA世界ヘビー級チャンピンの座を奪取したのが、このリック・マーテル。チャンピオンになった後、1984年だったかの大阪府立体育館大会へ来日した際、自分は会場でこのテーマ曲をライヴで聞いている。また1985年10月21日、全日本プロレスのゴールデンタイム復帰を記念したビッグマッチにおいて、当時のNWA世界ヘビー級チャンピオンであったリック・フレアーとの史上初のNWAとAWAの世界ダブルタイトルマッチでの入場シーンが懐かしい。この曲は、映画『フットルース』のサウンドトラックからデニース・ウイリアムスの1曲である。ボーカルをカットした編集テーマ曲が全盛の当時、珍しいバリバリのボーカルメインのテーマ曲が登場したなあ、と気になった1曲となった。
『フットルース』(Footloose)は、1984年のアメリカ映画。パラマウント映画作品。上映時間107分。公開当時、ケニー・ロギンスなども参加したサウンドトラックのヒットや当時の流行であるMTVを始めとするプロモーションビデオなどヒットも相まって、一種の社会現象となった作品でミュージカル化もされている。2011年にはリメイクも行われ、日本では『フットルース 夢に向かって』のタイトルでDVD発売された。保守的な田舎町にやって来た高校生レンが、住人との隔たりを克服して行く青春物語である。
デニース・ウイリアムス(Deniece "Niecy" Williams )は、アメリカ合衆国の女性歌手・シンガーソングライター・音楽プロデューサー。出生名ジューン・デニース・チャンドラー(June Deniece Chandler)。愛称はニーシー(Niecy)。ジョニー・マティスとの二重唱「涙のデュエット」(原題: Too Much, Too Little, Too Late)、ロイヤレッツのカバー「イッツ・ゴナ・テイク・ア・ミラクル」、『フットルース』の挿入歌「レッツ・ヒア・イット・フォー・ザ・ボーイ」などの大ヒットで知られる。インディアナ州ゲーリーに生まれる。父はペンテコステ教会の牧師、おじはインディアナ州の同教会監督であり、母は父と共に聖歌隊で歌っていた。デニースは、両親のあまりにも美しい歌声にプレッシャーさえ感じ、母は特に歌手として子供のころ憧れの存在であった。礼拝には欠かせないゴスペルを唯一の音楽とする、ペンテコステ教会の厳格な会衆の前でデニースは歌いながら育つ。母が過去に、准看護師としてシカゴの病院で勤務していたのもあ、デニースは高校を卒業すると、メリーランド州ボルチモアのモーガン州立大学に入り、看護師や麻酔医になるのを目指すが、1年半であきらめて自主退学している。その間にシカゴの慈善病院で病棟クラークを経験したり、電話会社に勤めたりもするが、ナイトクラブで歌うアルバイトを得ると、それが魅力的な楽しみになり音楽の道を選んだ。それからまもなく、スティーヴィー・ワンダーの友人で、デニースのいとこにあたるジョン・ハリス(John Harris)から、スティーヴィーのバックバンド「ワンダーラブ」(Wonderlove)のコーラス参加の提案があって実現すると、ツアー活動を通してプロとしての多くの経験を積むことができた。そうした数年間の貴重な音楽活動を経て、デニースはアース・ウィンド・アンド・ファイアーのリーダーであるモーリス・ホワイトに師事するようになる。さらにソロデビューに向けてプロデューサーとなったモーリスには、自分の表現力を上げることや音楽ビジネスの心得などを学んだ。結果としてスティーヴィーのもとを去ることになったデニースは、1975年にコロムビア・レコードと契約、シンガーソングライターとしてソロデビューを果たす。ファーストアルバムのヒットで順調なスタートを切ったデニースは、その後、数々の大ヒットを記録した。そして自身の原点である福音、ゴスペル音楽に戻ると、グラミー賞ゴスペルの各部門でたびたび受賞するに至っている。
■『フットルース』挿入歌
- 「フットルース」Footloose
- 歌:ケニー・ロギンス
- ※川田利明&冬木弘道のかつてのタッグチーム「フットルース」の入場テーマ曲にも使用された。
- ※日本マクドナルドの期間限定メニュー「Big America」のCMソングとして使用されている。
- 「レッツ・ヒア・イット・フォー・ザ・ボーイ」Let's Hear It For The Boy
- 歌:デニース・ウィリアムス
- ※リック・マーテルの入場テーマ曲にも使用された。
- 「パラダイス~愛のテーマ」Almost Paradise
- 歌:アン・ウィルソン&マイク・レノ
- 作曲:エリック・カルメン
- ※『金曜日の妻たちへII 男たちよ、元気かい?』主題歌にも使用された。
- 「ヒーロー」Holding Out For A Hero (作:ジム・スタインマン)
- 歌:ボニー・タイラー
- ※ゲーム『Saints Row: The Third』にも使用された。
- ※日本語カヴァーヴァージョン有り。(歌:麻倉未稀、テレビドラマ『スクールウォーズ』主題歌。葛城ユキもカヴァーしている。「ヒーロー HOLDING OUT FOR A HERO」参照。)
- 「ダンシン・イン・ザ・シーツ」Dancing in the Sheets
- 歌:シャラマー
- 「アイム・フリー」I'm Free
- 歌:ケニー・ロギンス
- ※日本語カヴァーヴァージョン有り。(歌:渡辺美里、テレビドラマ『スーパーポリス』主題歌。)
- 「誰かの愛が…」Somebody's Eyes
- 歌:カーラ・ボノフ
- 「危険なガール」The Girl Gets Around
- 歌:サミー・ヘイガー
- 「ネヴァー」Never
- 歌:ムーヴィング・ピクチャーズ
- ※日本語カヴァーヴァージョン有り。(歌:MIE、テレビドラマ『不良少女とよばれて』主題歌。)
以下の曲はボーナストラックとして1998年の記念盤以降に追加されている。
- 歌:シャラマー
- 「メタル・ヘルス」Bang Your Head(Metal Health)
- 歌:クワイエット・ライオット
- 「ハーツ・ソー・グッド」Hurts So Good
- 歌:ジョン・メレンキャンプ
- 「ガール・ライク・ユー」Waiting For A Girl Like You
- 歌:フォリナー
- 「ダンシン・イン・ザ・シーツ」Dancing in the Sheets(12インチリミックス版)
■リック・マーテル(Let's Hear It for the Boy)
■テーマ曲ヒストリー
- "Let's Hear It for the Boy" by Deneice Williams (AWA and Japan)
- "Girls in Cars" by Robbie Dupree (WWF w/ Strike Force)
- "Model" by Jim Johnston (WWF)
- "Razzmatazz" (production music; WCW)