新潟県無形文化財蝋型鋳金 四代晴雲 原惣右ェ門の斑紫銅花器 | MA by So Shi Te blog

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 今日はちょっと渋い工芸をご紹介させていただきます。

  新潟の無形文化財 蝋型鋳金の花器。


 蝋型鋳造とか斑紫銅とか馴染みが無い言葉ですが、細かい製造方法などに関しては作品のご説明後にさせていただきますので、
  折角の機会ですから、どれだけ手間のかかるものなのかを知っていただければ幸いです。

 

 また量産品の物とは違い、手作りならではの作品であることがお手に取ってご覧いただくとわかるので、是非店頭にて実物をご覧になられてみてくださいね。

 
 

  このフォルムが素敵ですね。

  棚に置いてあるだけでも様になる花器です。

  サイズは26,4 x 6.7cm
価格は18,700円+税

  
  表面は塗装がされている模様ではなく、炭火で焼くことにより生まれる「炎の斑文」。熱で変形してしまう寸前まで熱せられてできた酸化被膜によるもの。熟練の技が成す模様です。

  以前 オーストラリアの金属塗装アーティストの方が深く感銘を受けて、原さんの作品を一つ買ってくださいました。
   塗装だけでなく、金属の酸化被膜も作品に取り入れられているアーティストの方で
   個人所蔵の作品として買っていかれました。

 
 

  弓形花器。

  シンプルだけれどまるで彫刻の様な美しいフォルム。

  サイズは26 x 4.3 cm
価格は16,500円+税



  

   六角の花器

   

   サイズは16 x 7cm
価格は19,000円+税

 
   弓形と六角は黒仕上げの技法が用いられています。
    黒仕上げとは紫銅加工を施した作品を更に燻しと拭き込みを何度も繰り返し、真っ黒になるまで炭素の膜を何層にも焼きつけた後、赤い斑紋を摺出す技法です。

   その為斑紫銅よりも高くなってしまうのですが、塗装とは違った美しい黒さが特徴です。


*蝋型鋳造法及び製法について
  蝋型鋳金とは伝統的な鋳造法の一つです。

  作りたい物の形を、松脂と蜜蝋を混ぜ合わせた蝋で成形し、その周りを蝋型鋳造用に準備した土で覆い、そのまま乾燥させます。

  乾燥後、炭火で長時間焼き、蝋で出来た原型部分を流し出してしまうことで鋳型となり、

  その鋳型の中の空洞に溶かした金属を流し込むことで金属製品を制作します。

  冷めたら鋳型を砕き製品を取り出しますので、原型も鋳型も一度きりになるのですが、他の製法では出来ない繊細な柔らかい表現が可能になります。

  量産は出来ませんが一つづつ手作りしておりますので、手仕事の温みのあるものに仕上がります。


*紫銅とは
  製品の表面の赤い斑紋、色の表現等に塗料は一切使用いたしておりません。

  赤い斑紋は、磨きの行程の後に良質の炭で焼き、酸化皮膜を定着させる技法によるものです。

  変形寸前の温度になるまで焼く“紫銅焼き”と呼ばれるこの技法による着色は銅鋳物製品だからこそ可能となり、地金の調合や焼き加減の見極め等、熟練の技術が要されます。


*黒色仕上げ
  “紫銅焼き”をしたものを磨いた後、乾燥松葉を燃やし、その炎の上でヤニと煤の焼き付けをしたものが黒仕上げです。

   燻しと拭き込みを何度も繰り返し、真っ黒になるまで炭素の膜を何層にも焼きつけた後、赤い斑紋を摺出す技法です。

  
 

 大変手間のかかる工芸ですが、量産品では絶対にまねのできない美しさがそこにはあります。
  フォルムの美しさだけでなく、表面の仕上げは伝統の技があってこそ成せる。
  是非 店頭にて実物をご覧いただければ幸いです。