眉毛下皮膚切除(2022年3月19日改訂版) | 眼瞼下垂・二重まぶた・まぶたのたるみ・クマの治療(奥村 仁)

眉毛下皮膚切除(2022年3月19日改訂版)

2022年3月19日改訂版


こんにちは,東京・神奈川まぶたのたるみ・眼瞼下垂・二重・クマの治療を行っている形成外科・美容外科・眼形成の奥村仁です.

 

目次

①手術方法

②手術適応

③術後ケア

④術後経過

⑤利点・欠点

⑥合併症


①手術方法

眉毛下皮膚切除は,眉毛直下の皮膚や,眼輪筋,眼輪筋下線維性脂肪織を切除する方法です.眼輪筋や脂肪を使って,眉毛の位置が下がりにくいようにする事も出来ます.

マブタの形成外科・美容外科(奥村 仁)
 

②手術適応

⑴元々,一重で二重を形成したくない

⑵皮膚・脂肪が厚くて重瞼線皮膚切除だとわざとらしい厚ぼったい二重になる

⑶眉毛の位置が下がっていない


⑴〜⑶のような方が眉毛下皮膚切除のいい適応となります


③術後ケア

(1)抜糸まで

術後7日間は,出血や血腫などの予防として顔が赤くなるような行為(運動・飲酒・入浴など)は控えて下さい.

 

腫れ(腫脹)の予防のために,患部周辺を,よく冷やして下さい.特に術後3日間はアイスノンや保冷剤,冷たいタオルなどで冷やして下さい.また,横になると,顔がむくみやすいので,日中は座位で冷やして下さい.


シャワー浴や洗顔は,手術の次の日から可能です.顔を洗う時に一緒に,傷周囲の軟膏や血液をやさしく洗い流して下さい.術後3日以降は石鹸で傷も洗って頂きます.(消毒の必要はありません)眼軟膏を塗布していただきます.

抜糸

術後5~7日目に行います。

術後診察

抜糸後の診察は,通常3回行います.

術後1ヶ月,3ヶ月,6ヶ月に受診して頂きます.


④傷の術後経過

⑴皮内・皮下出血斑

⑵腫れ(腫脹)

⑶傷の赤み

⑷傷が硬い(硬結)

⑸痛み

 

皮内・皮下出血斑は程度の差はありますが,必ず術後認めます.範囲が広い人は上まぶただけでなく,下まぶたまで広がることがありますが,必ず時間の経過とともにうすくなってきます.大半の人が2週間程度で肌色に戻ります.傷の周囲は,お化粧でカバーしても構いません.

 

腫れ(腫脹)は術後2日目くらいがピークで,徐々に引いていき,術後1週間くらいで強い腫れは取れます.腫れぼったい感じが完全になくなるのには,2か月程度かかります。術後早期の腫れの予防には,患部周辺をよく冷やしていただくことが重要です.特に術後3日間はアイスノン・保冷剤や冷たいタオルなどで座位で冷やして下さい.

 

傷の赤みは術直後よりも術後3週間程度の時期に強い時期がありますが,徐々にひいてきて,術後6か月くらいの時期にはかなり薄くなっています.完全に白くなるのには,1年近くかかります.

 

硬結とは切った部分が,傷が治る過程で硬くなることですが,術後3週間くらいまでの時期は傷が硬く感じる時期があり,徐々にひいてきて,術後6か月くらいの時期には気にならなくなることが多いです.


⑸内服の鎮痛薬で抑えられる程度の自発痛が約1週間あります.それ以降,自発痛はほとんどありませんが,1ヶ月位は洗顔などで触ったときに,ピリッと痛みがでることがあります.


マブタの形成外科・美容外科(奥村 仁)

 ⑥合併症

⑴血腫

⑵感染


⑴術後出血が止まらないと,皮下に血が溜まり,コブのように膨れる(血腫)事があります.血腫の予防の為に,普段,抗凝固薬・抗血小板薬・血管拡張薬を内服している方には,術前に休薬して頂いたり,術後伸縮テープによる圧迫をし,患部を安静にして頂きます.


⑵まぶたは血流がよく,通常感染するリスクはほとんどありませんが,傷の1日2回の洗顔時の洗浄や,抗生剤の内服をしてもらい予防します.